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以前の記事で、アフリカのメタルシーンについて伝える書籍『デスメタルアフリカ』についてお伝えした。大変マニアックな内容にもかかわらず、発売前から話題を呼び、一時品薄状態になるほど人気を得ている。

・調子こいてるんじゃ……

書籍の発売と、著者ハマザキカクさんのイベント出演により、モザンビークの国民的人気バンド「Scratch」が話題を呼んでいる。ブラックメタルなのに白塗りメイク、メロディアスな楽曲が妙にクセになる。このバンドが日本のファンに向けて撮影したビデオメッセージが届いた! その映像を見ると……、Scratch調子こいてるだろ、これ!

・なぜか注目の的に

このバンドは書籍の表紙にも描かれており、冒頭インタビューにもかなりのページが割かれている。これを読めば、彼らがどんなバンドか詳細に理解できるだろう。曲を聞かなくても、インタビューの内容を読むだけで、彼らに親しみを覚えてしまうから不思議だ。

書籍には数多くのバンドが紹介されている。それにもかかわらず、Scratchだけが書籍の読者やネットユーザーから、絶大な支持を得るに至っている。

・なぜ海岸で……

そんな彼らからのビデオメッセージ。なぜか撮影場所は海岸。スタジオとかで撮ればいいのに、なんで外なんだよ……。メンバーはそれぞれの言葉で、「日本のみんなありがとう」とか「愛してるぜ、これからも応援よろしく」とか、カッコつけて言ってるんだけど……。

風の音がうるせーーーーッ! だから、なんで海岸で撮影したんだよ! ナニ言ってるかわかんねえよーーッ!!

しかも最後にマネージャーが出てきて、「I am the boss」って……。マジで調子こいてんな、これ。もっと自然にメッセージ撮影できなかったのかよ……。とはいえ、魅力的なバンドであることに違いない。

・ハマザキさんのコメント

ちなみにこのメッセージはハマザキさんが、2015年10月16日に東京・阿佐ヶ谷ロフトに出演したイベントのために、送られたものなのだとか。その時の様子をハマザキさんはこう話している。

「先週の金曜日に阿佐ヶ谷ロフトにて開催された『デスメタルアフリカンナイト』の為に何かサプライズをと思い、Scratchに特別出演してもらいたかったのですが、それは当然難しいのでSkype出演して貰えないかなと思いました。

しかしインタビューした時に、超マイペースで空気読まないのは分かってたので、ビデオメッセージがいいかな? と思い、お願いしたら何と数日後『撮影したよ』というメッセージが届きました。再生したらホントにちゃんと写っていて、イベント当日にいきなり流したらお客さんも大喜びでした。

『俺もいい仕事したなー、日本とモザンビークの友好親善に一役買った』と思って、お礼とイベントの時の様子をメンバーに送ったのですが、あまり何とも思ってない様で『それは良かったね』の一言が返ってきただけなのがちょっと寂しかったです」

マジで大物なんじゃないのかと感じさせる反応。もっと喜べよ……。さらにハマザキさんはこう続ける。

「あと1点気になるのがマネージャーが『I am the boss』と言ってて、一番威張ってる事ですね。是非、彼らには来日してもらいたいです。無理だったら自分がモザンビークに行きたいぐらいですが、行ったら意外とアッサリとした対応されそうで不安です」

たしかに、生で演奏を見たいけど、軽い気持ちで来られても困る……。ちなみに彼らの音楽を、ハマザキさんはこう評価している。

「音楽的には単なるハードロックにしか聴こえないのですが、自分達の事を『Heavy Death Metal band』と誇張しているのも気になります。見た目の怖さの割には音楽がヤワな事に対して引き目を感じてるのかな? と思いました」

へヴィではない、デスでもない。しかし言い張るところがちょっとカワイイ。まあとにかく、目の離せないバンドではある。もしかして、来年あたり本当に日本に来るかも……。

参照元:YouTube
取材協力:ハマザキカク
執筆:佐藤英典

▼モザンビークのバンド「Scratch」から日本のファンにメッセージだ

▼Scratch『Va fambi vamussiya』

▼Scratch『Loku Unga Lavi Tsika』