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2015年9月18日からイングランドで開催されているラグビーW杯。これまでのW杯でわずか1勝だった日本代表は、初戦で強豪・南アフリカに歴史的勝利を収めると、先日のサモア戦にも勝利。スコットランドに負けはしたものの、ここまで2勝1敗の好成績だ。

残すところはアメリカ戦となっており、その勢いから決勝トーナメント進出……さらに上位を目指せるのではないかと思っている人もいることだろう。が、そう甘くないのがラグビーW杯。なぜならたとえグループリーグを3勝1敗で終えたとしても、決勝トーナメントに進めない可能性があるからだ。

・ラグビーW杯における勝ち点

では、どうすれば日本代表は決勝トーナメントに進出できるのだろうか。そこでまず、ラグビーW杯における勝ち点……引き分けや負けでも勝ち点を得ることができるその特徴をおさらいしておこう。

ラグビーW杯の勝ち点は、勝利で「4」、引き分けで「2」、敗戦で「0」。しかしながら、7点差以内の敗戦であれば「1」、なおかつ4トライ以上決めれば「1」と、いわゆる “ボーナスポイント” を獲得することができる。

・グループBの現状

そしてグループ5チームが総当たり戦を行い、上位2チームが決勝トーナメント進出という仕組みだが、日本の入ったグループB(南アフリカ、スコットランド、サモア、アメリカ)はこれまで各チーム3戦を終え、南アフリカ、スコットランド、日本が2勝1敗で並んでいる。

しかし、ボーナスポイントで差は開いており、南アフリカが11で首位。次いでスコットランドの10、日本の8となっている。決勝トーナメントの可能性があるのはこの3カ国に絞られ、どこも残すところ1戦だが、この3カ国同士で直接対決は残っていない。

・突破条件

次戦で南アフリカとスコットランドが敗北すると、日本は引き分け以上で突破の可能性が出てくるが、それはないといっていいだろう。というのも、南アフリカがアメリカに負けることは、まず考えられないからだ。

アメリカが南アフリカに勝てば、それこそ歴史的勝利。さすがに南アフリカが、同じ大会で二度も足元をすくわれることは考えにくい。日本に敗退後、鬼神が乗り移ったかのような攻めで勝ち点を積み上げている南アフリカのことだ。相手がどこであれ、全力で潰しにくるはずである。

・サモアの意地に期待

そうなると現実的なのは、スコットランドの方だろう。しかし、こちらにも問題があり、日本と勝ち点で並んだ場合、直接対決を制しているスコットランドがトーナメントへの優先順位が高くなる。

ただ、まったく希望はないかといえばそうでもない。日本はうまく押さえ込むことできたが、本来サモアは波に乗せると恐ろしいチーム。一度勢いづくと、なかなか止めることが難しい。スコットランドといえども、一筋縄ではいかないだろう。

・最終戦の日程

グループリーグ最終戦の日程は、8日に南アフリカ vs アメリカ、10日にスコットランド vs サモア、12日に日本 vs アメリカの試合が行われる予定。南アフリカとスコットランドがボーナスポイントを獲得しつつ勝利すると、最終戦を前に日本は予選突破できないことが決まるが、最後まで大逆転が起こることを信じたいものだ。

執筆:原田たかし
イラスト:稲葉翔子