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日々、ライオンと戦い続けるケニアの誇り高き「マサイ族」の戦士たち。一節によると、マサイ族の姿を見ただけでライオンが逃げ出すこともあるという。百獣の王ライオンが恐れる “ニンゲン” は、世界広しといえどもケニアのマサイ族くらいだろう。

そんなマサイ族に、どうしても聞きたいことがあった。それはズバリ、ライオンの倒し方である。ということで聞いてきた! 実際に私がライオンになったハウツー動画「HOW TO ATTACK LION ~Maasai Style~ 」とあわせてご紹介したい。

・ライオンの倒し方(日本編)

ケニアに行く前、私は日本で発売されている数少ない「ライオンの倒し方」についての文献を熟読しておいた。ワニブックスから発売されている『武井壮の目指せ!百獣の王』である。同書には、数々の猛獣に対しての “必勝法” が書かれているのだが、本を開いて10ページ目、真っ先に登場したのが百獣の王・ライオンであった。takeiso

そこには、「サバンナの絶対王者」「動物界の支配者」「現・百獣の王」「動物界最強の捕食者」……と、これ以上ない最強ワードが散りばめられている。ちなみに、あの武井壮さんが “宿命のライバル” と認めているのはライオンのみ。だが、そんなライオンと日々戦っているマサイ族は、“百獣の王の王” といっても過言ではない。takeisou2

ちなみに武井式のライオンの倒し方は「鼻に渾身の左ストレート」であるという。なるほど……。そんなに簡単じゃない気もするが、武井さんならイケるのかもしれない。

・ライオンの倒し方(マサイ流)

こうなったらもうマサイ族に教えてもらおう! ということで向かった先は、タンザニア国境に近いケニアのアンボセリ。とあるマサイ族の集落に行き、どうやってライオンを倒すのかを、実際にライオンと戦ったことのあるマサイの戦士たちに聞いてみた。luka1

自身もライオンに1戦したこともあるマサイ族ガイドの「ルカ」が言うには、こんな感じらしい。まず、マサイスピア(ヤリ)で突く。動きを鈍らせてからマサイソード(刀)でカット。時には棍棒など「ぶっ叩き系の武器」も使うという……。luka2

詳しくは動画「HOW TO ATTACK LION ~Maasai Style~ 」を見て欲しいのだが、ともかく武器は使うようだ。しかしながら、銃などの飛び道具は使わない。生きるか死ぬかの真剣勝負は、やはり “手に持つ武器のみ” で行うのが武士道ということだろう。

・「俺がライオンだ!」と宣戦布告

続いて向かったのは、ナイロビからクルマで1〜2時間の場所にある『オルポロス』というマサイ族のコミュニティ。この地に生きるマサイ族の戦士たちに、私は開口一番「俺がライオンだ!」と、どもりながら宣戦布告してみた。「カ、カ、カモン!」と。imlion

その直後、マサイ族の戦士たちは「え? こいつ、バカなのか……?」と本当に困った顔をしていたが、私が四つん這いの状態、レスリングで言うところの “パーテールポジション” になった瞬間に意図を理解、彼らは私をライオンと見なしてくれた。そして──search

「ウー、ホホホホ!」という雄叫びが聞こえたので頭をあげると、赤い布をまとった4人の戦士が、まさに「ドラクエの敵が横一列で出現した」的な状態で私に向かって接近してきた。4人……ていうか、1対1のタイマン勝負ではなく、団体で攻めてくるのか!firstattack

冷静に動画を検証してみると、この4人フォーメーションは、「攻め手2人(FW)」と「補佐的攻め手(MF)」からなる、サッカーで言うところの2トップ&2ボランチな布陣であることが判明した。これを「2-2マサイフォーメーション」と名付けたい。take the back

まずはフォワードがマサイスピアで会心の一撃。その後、ボランチ(MF)がバックを取り、体勢を崩してグラウンド戦に持ち込んでからトドメをさす……という一連の動きは、まさに流水のごとき連携プレイ。気付いたら死んでいるレベルである。finish

今回、最も勉強になったのは「チームプレイが重要」だということ。それぞれが役割を全うし、最小限の人数で正々堂々と “史上最強” に立ち向かう。これはスポーツにも家庭にも仕事にも、そして今後の人生においても参考になることだろう。どうもありがとう、マサイ族の戦士たち。アシェオレン(マサイ語で「ありがとう」の意味)!

Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
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▼動画「HOW TO ATTACK LION ~Maasai Style~ 」

▼予告編「ライオンの倒し方」

▼マサイ最強の男を探してきた 〜Strongest Maasai Warrior〜

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