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残念だが、どこにでも常習的に人の嫌がることをする者はいるものだ。何が目的なのか? ただ悪ふざけなのか何なのかわからない。そんな迷惑な行為に、あるバーのマスターが憤慨して、驚くべき行動に出た!

・盗難から文学賞

そのお店、プチ文壇バー「月に吠える」は、東京・新宿のゴールデン街にある。ここの店外に置いてあるミントの鉢が、頻繁に盗難に遭うというのだ。マスターの肥沼和之氏は、文壇バー流のやり方で反抗することにした。なんと文学賞を開催することにしたのである。その名も「第1回ミントはどこに消えた? 文学賞」である。何ともポジティブな抵抗だ。

・常習犯の仕業か!?

肥沼氏に話を聞くと、ミントが盗難に遭った回数はすでに10回近くになるという。盗ませないように注意書きを貼っていたにもかかわらず、その忠告を無視して持ち去られることもあったそうだ。

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・肥沼氏のコメント

本来であれば、監視カメラなどを設置して犯人を特定するべきではないだろうか。しかしそれでは、文壇バーらしからぬ対抗策であると考えて、文学賞の開催に至ったという。今回の文学賞開催について、肥沼氏は次のようにコメントしている。

「ミントを盗んだことがある方、盗まれたことがある方、どちらでもない方、どなたも参加可能なイベントが『第一回ミントはどこに消えた? 文学賞』です。当店の盗まれたミントを成仏させるためには、皆様のお力添えが必要です。私どもの文学賞に応募することで、ミントは生きた証を残せるのかと思います。また、若手作家の実績にも繋がります。ぜひ、たくさんのご応募をお待ちしております!」

・作品を応募するぞ!

被害者でありながら、若手作家にも機会を与えようという大らかさに驚かされてしまう。私(佐藤)のように根性のネジ曲がった人間にはおよそ思い浮かばないことだ。本当に感心する。せっかくなので、これを機会に私も応募してみようと思う。私の作品はこちらから読むことができる。はたして優秀賞を受賞することはできるのか!?

ちなみにこの文学賞、ミントが盗まれる度に開催する予定なのだとか。できることなら、この第1回で終了してくれると良いのだが……。

・文学賞詳細

タイトル 第1回ミントはどこに消えた? 文学賞
募集内容 「ミントの苗が盗まれた」という場面、もしくは設定が作中で使われていること
枚数 400字詰め原稿用紙換算2~5枚
賞金 優秀賞1本 5000円、特別賞ミントの苗
締切 2015年8月12日
詳細は「月に吠える通信」

執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

▼ここに置いてあった鉢がなくなったそうだ
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