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世界中の人々が頭を悩ませる、イジメ問題。複雑な事情が絡み合っているとはいえ、被害者は深く傷を負い、大人になっても心の中で苦しみ続ける人も多いはずだ。では加害者はどうだろうか?

イジメたことなんか忘れて、ノウノウと生きている加害者もいるかもしれないが、そうではないケースだってあるようだ。この度、ある男性が「昔はイジメてしまってゴメンナサイ」と20年ぶりに、被害者に謝罪したというのである。彼は自分が “イジメ加害者” だという事実を、忘れたことはなかったという。

・中学生の頃イジメられていたモリセッテさん

現在34才のチャド・マイケル・モリセッテさんは、中学生時代にイジメられていた。サッカーチームの6~7名から主にイジメを受けていて、よく嫌がらせをされたり、ひどい言葉を投げかけられていたという。

現在モリセッテさんは、ハリウッドでデザイナーやブランド・コンサルタントとして活躍しており、イジメはもう過去のことだった……。しかし Facebook のページに送られてきたメッセージで、彼の過去が再び扉を開けることとなる。

・昔のイジメ加害者からメッセージが届く

なんとそのメッセージは、昔のイジメ加害者のひとりから送られてきたものだったのだ! 差出人であるルーイ・アムンドソンさんが、「20年前は嫌な思いをさせて、ごめんなさい」と謝罪の言葉をよこしたのである。なぜ今頃? というのも、彼の娘に「パパは、誰かをイジメたことがある?」と質問されたことがキッカケとなったのだとか。以下が、謝罪のメッセージだ。

「やあチャド。この前、僕は10才の娘とイジメについて話し合ったんだ。すると娘が、“パパって誰かをイジメたことがある?” と質問してきたんだ。残念なことに、僕は “ある” と答えなければならなかった。それがキッカケで、中学時代に僕が君にどれほど悪いことをしたか思い至ったんだ。僕は君に謝りたい。もしも同じ州に住んでいるなら、直接謝りたいと思っている。もしかしたら忘れてしまったかもしれないけれど、僕は覚えているよ。本当にすまなかった。ごめんなさい」

・「謝罪のメッセージをありがとう」とモリセッテさん

確かにイジメた罪は、一生背負っていかなければならないだろう。しかし、娘に「イジメたことはないよ」と嘘を付かなかった上に、20年ぶりに被害者に謝罪することは簡単ではなかったはずだ。

そんな真摯な謝罪の言葉に、気持ちを揺さぶられたモリセッテさん。昔イジメてきた相手からのメッセージを無視することなく、返事を送ったのだ。

「君のメッセージに、胸を打たれたよ。謝罪のメッセージをありがとう。この20年間で、イジメについて謝ってきたのは君だけだ。娘さんには、イジメについてちゃんと謝って、僕と仲直りしたと伝えてあげてほしい。20年という時の流れと子供たちが、僕たちにしてくれたことを考えると感慨深いものだね。どこかでイジメを目撃したら、立ち上がってほしい。元気で」

・彼のメッセージで、自分の傷が癒えていないことに気が付いた

イジメについてモリセッテさんは、「確かに僕は被害者かもしれないが、あの経験で強くなることができたとも言える。当時は耐えられなかった経験を、どうやって生き抜くか学んだのだ」と語っている。しかし同時に、「今回謝罪のメッセージが届いたことで、自分の傷が癒えていないことにも気が付いた」と述べているのだった。

イジメを行っていたアムンドソンさんも、「今でも覚えている」と言っているように、イジメは何年経っても癒えることのない傷を双方に与えるようだ。

最後に漫画家の西原理恵子さんが、朝日新聞上で “イジメられている子供たちに送った言葉” を紹介したい。

「学校は、いじめられてつらい思いをしてまで行くようなところじゃない。長い夏休みだと思って、欠席してください。そして、16歳まで生き延びてください。」(朝日新聞より引用)

参照元:Mashable(英語)朝日新聞
執筆:小千谷サチ
Photo:Rocketnews24.