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本日5月3日、日本競馬G1レースの中でも長い伝統と歴史を持つ天皇賞(春)が開催される。春の最強古馬を決定するこのレースは、3200メートルという長丁場に耐えうるスタミナと直線のスピード、さらには騎手の手腕など、見どころも名勝負も多いレースとされている。

これまで数々の名勝負が繰り広げられてきたが、1997年に行われた第115回天皇賞(春)は、まさに名勝負中の名勝負といえる。勝負を制したのはマヤノトップガン(6歳)……。勝ちタイムは当時の世界レコードを2秒7も更新したという、凄まじい記録であった。

・三強時代

当時、日本競馬界で三強と呼ばれていたのが、マヤノトップガン・マーベラスサンデー・サクラローレルの3頭。中でもサクラローレルは、その半年前の三強対決・有馬記念を制しており、このレースでも1番人気となっていた。

マヤノトップガンはそれまで、菊花賞・有馬記念・宝塚記念など3度もG1レースを制していたが、気性に難があり成績も「いい時はぶっちぎり、悪い時はかすりもしない」というムラがあることで知られた馬。しかしファンに「ローレルに勝てるのは本気のトップガンしかいない」というロマンを抱かせる、ポテンシャルの高さを買われ2番人気となっていた。

・残り200メートルのドラマ

レースが始まり、馬群の中団外に待機するサクラローレル。その真後ろをぴたりとマークするマーベラスサンデー。意外にもマヤノトップガンは落ち着いている。レース途中、珍しく掛かってしまう(言うことを聞かず前に行ってしまう)サクラローレル。それを追うマーベラスサンデー。

最後の直線、先頭はサクラローレルとマーベラスサンデーの壮絶な叩き合い。残り200メートルこの2頭で決まりかと思われていたその時、大外からマヤノトップガンが驚異の末脚で2頭に迫る……! 衝撃的なレースの内容は、動画を確認してほしい。

先述したが、勝ち時計は当時の世界レコードを2秒7も更新したという伝説的な一戦であった。マヤノトップガンのポテンシャルを、騎乗した田原成貴・サクラローレル・マーベラスサンデーが極限にまで引き出した究極のレースといえるだろう。今年はどんな名勝負が生まれるだろうか? 第115回天皇賞(春)を超える戦いを期待したい。

参照元:YouTube
執筆:P.K.サンジュン

▼1997年に開催された「第115回天皇賞(春)」だ!