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日本でも、盛んに議論が行われている「ヘイトスピーチ規制」。“表現の自由” を隠れ蓑に、他人をただガムシャラに傷つける行為をいかに取り締まるか……難しいかもしれないが何とかすべき問題である。そして、この問題は世界中が頭を悩ませているのだ。

例えば、オーストラリア。この度、地下鉄の中で他の乗客から、暴言を浴びせられるイスラム教の夫婦がいた……。ところが! そんな夫婦を助けるべく、「いい加減にしろ!」と1人の女性が立ち上がった!! 強さと優しさ、その上美しさまで兼ね備えたこの女性に、世界中が惚れてしまっているのである。

・人種差別主義者に喝!

2015年4月15日、シドニーでのことだ。空港に向かう電車の中に、不快な言葉が大声で響き渡った。それは、1人の中年女性が、イスラム教徒の家族に対して嫌な言葉を投げつけていたのである。

なにやら女性は、イスラム教徒の女性が頭を覆っていた “ヒジャブ” に対して、「なんでこんなに暖かい日にスカーフなんて巻いてるの?」とイチャモンをつけ、2014年にシドニーで起こった人質立てこもり事件やテロ組織 ISIS に言及。果ては「オーストラリアから出て行け」などの暴言を、延々と10分にも渡って吐いていたのだ。

・「黙ってなさい」とピシャリ!

とその時、そんな事態に気が付いたステイシー・エデンさん(23)が、「ちょっと待ちな!」と女性と夫婦の間に立ちはだかった! そして「ヒジャブを身にまとうのは、彼女の自由でしょ。あなたがとやかく言うことではないわ」「ISISはイスラム教の中でも、ほんの一部の人がやってること。その他大勢は、全く関係ない」「相手に敬意を払いなさい」など女性に対して反論。

「あんたがこの口論を始めたんじゃないの。黙りな」と言い返されても、「いいえ。黙るのはアナタの方よ。良いことが言えないのなら、黙っていなさい。簡単なことよ」と、ピシャっと音がしそうなほどの気っ風の良さで切り返したのだった。

・「ありがとう!」と家族はステイシーさんに感謝

その後、中年女性は口をつぐんだものの、目を光らせるために予定していた駅で降りずに、車内に留まったステイシーさん。それほどまでに、家族に投げつけられた言葉はひどく、聞くに堪えないものだったのである。

ヘイトスピーチの被害にあったハーフェズ・アハメド・バティさんは、ステイシーさんの行動にとても感謝していると話している。後日、ステイシーさんの Facebook ページに「あのときは、ありがとうございました。アナタのように多くのオーストラリアの人びとが、全ての宗教に対して敬意を払っていることを知っています」とメッセージを寄せたのだった。

・侮辱された女性の気持ち

このことが多くのメディアに報じられたところ、ステイシーさんの Facebook ページには「素晴らしい!」とのメッセージが続々と寄せられた。対してステイシーさんは、「あの女性に、自分の発言がよくないってことを分からせたかった」と話している。

「ただスカーフを頭に巻いているだけで、相手を侮辱してはダメってこと。今回被害にあった女性は、何も悪いことをしていないわ。ただ座って、黙っていたけれど、彼女がどんな気持ちでいたか想像できる」。

・イスラム教徒への差別発言が激化するオーストラリア

ということで現在、警察はヘイトスピーチを行った中年女性の身元を追っており、ステイシーさんも警察の捜査に協力するということだ。大変残念なことに、オーストラリア国内でのイスラム教徒に対する差別発言は増加しているという。

以前にも、ダウン症のチアリーダーに対するイジメを止めたバスケ選手たちがいたように、世界には勇気と優しさを持った人々がたくさん存在する。私たちも同じような場面に出くわしたとき、彼らのように勇敢な行動をとりたいものだ。

参照元:Mail OnlineThe Sydney Morning HeraldFacebook(英語)
執筆:小千谷サチ

▼カッコいいよ! ステイシーさん!!

▼ステイシーさんが録画した口論の様子

▼予備動画