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2015年3月14日、ついに東京駅から金沢・富山間の北陸新幹線が開通する。いままで不便だったので行けなかった北陸地方にぜひ新幹線を使って行きたいという人は多いと思うが、本当に新幹線がベストな交通手段なのだろうか?

以前の記事で、編集部の記者たちがそれぞれの「東京 → 金沢」の行き方を紹介してきたのだが、どいつもこいつも甘いッ! 新幹線に勝るとも劣らないワクワクを体感できる行き方を紹介したらんかいッ!! ということで、私(佐藤)は海路で金沢に向かったのである。そう、一旦本州をフェリーで迂回して北海道に行き、そこから再びフェリーで福井県敦賀から上陸したのである。ワイルドだろ~♪ 私の旅程は以下の通り。

・フェリーで金沢行きの旅程

2月21日 茨城県水戸泊(朝8時までの受付のため、前日入り)
2月22日 11時30分 大洗港出港 → 翌23日 6時30分 北海道苫小牧港着
2月23日 23時30分 苫小牧東港出港 → 翌24日 20時30分 福井県敦賀港着
2月24日 21時33分 敦賀駅発(特急サンダーバード) → 22時57分 金沢着

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・悪天候で10時間遅れ

私(佐藤)が乗船したのは、大洗発の「さんふらわあだいせつ号 」と、苫小牧東港発の「はまなす号」である。この旅程、出発前から大きく狂うことになった。2015年2月下旬、北日本は低気圧の影響であらゆる交通機関に影響が出たのだ。

船もその例外ではない。「さんふらわあだいせつ号 」は、当初21日の午前1時45分に大洗出港予定だったのだが、悪天候で出港が10時間遅れて、22日11時30分の出港になったのである。10時間遅れ!? やっぱ船旅はスケールが違う!

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・搭乗3時間前の手続きは早すぎる……

もうひとつ厄介だったのは、「さんふらわあだいせつ号」を運航する商船三井フェリーでは、搭乗手続きを出港の約3時間前に行っていること。つまり、11時30分の出港なのに朝8時に手続きをしなければならず、わざわざ前乗りして水戸の宿泊する羽目に。

しかも、手続きは5分で終わってしまった……。乗船までの2時間、何もすることがなかった……。

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・船旅が快適だった理由その1 「船内設備が充実している」

苦労したのはこれくらいで、あとは大変快適だった! 快適だった点をひとつずつ紹介しよう。まずは船内設備。いずれの船も、自販機コーナーが充実しており、飲食に困ることがない。そしてゲームセンターがあり、その気になれば暇を潰すことも可能だ。「はまなす号」にはレストランもあって、割とメニューも充実している。

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個室を利用するとさらに快適。相部屋だと、どうしても気をつかってしまうのだが、個室ならプライベートも守られており、気兼ねなくのんびりと過ごすことができる。移動するビジネスホテルと思っても良いくらいだ。

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何より最高だったのが、大浴場だ! どちらの船もお風呂広々~♪ 大海を眺めながらの入浴は格別!!

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・船旅が快適だった理由その2 「自由に動きまわることができる」

長旅でもっとも辛いのが、身動きできないことである。バスでも電車でも飛行機でも、あちこち動き回ることは難しいだろう。周りの迷惑にもなるし。その点、船は全然問題ない。ゲーセンで遊ぼうが風呂に入ろう(入浴時間は決まっている)が、誰に制約を受けることもないのだ。個室なら軽い筋トレくらいできる。

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・船旅が快適だった理由その3 「やりたいことに没頭できる」

クリエーターにはこの点を強くおすすめしたい! 下船するまでの10時間以上、特にやることがない。仕事でフェリーに乗っているオジサンたちは、ずっと酒を飲んでいるくらい暇なのだ。

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そこで、やりたいことにトコトン没頭すると良いだろう。普段は何かと邪魔されて、「集中できねぇえええ!」という方は、個室にこもって誰に邪魔されることなく、好きなだけ好きなことをやれば良いと思う。

また船内は広いので、人のあまり来ない場所があるはず。そこで創作に没頭するのもアリだ。船酔いが平気なら最高である。

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・船旅が快適だった理由その4 「結構経済的」

そして、有難いことに結構経済的だ。私の旅程の場合、苫小牧行きはカジュアルルーム(4名相部屋を2名で使用)で1万1830円。敦賀行きはステートルームB(ツインのシングルユース)で1万9030円。割高のビジネスホテルに宿泊したと思えば、そう高い値段ではないはずである。

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・乗り継ぎと悪天候が問題

そんな快適な船の旅なのだが、難点をいうとすれば、乗り継ぎが大変であることだ。「さんふらわあだいせつ号」と「はまなす号」を乗り継ぐのに、17時間も待たなければならなかった。そして天候の影響を受け易いので、突然欠航になった場合に潰しが利かない。

とにかく時間にゆとりがあれば、最高に快適な旅ができるはずである。大量の写真をまじえて旅の全行程をつづった詳細は2ページ目(大洗→苫小牧編)と、3ページ目(苫小牧→敦賀編)をご覧いただきたい。繰り返すが、何かに没頭する時間を作りたい人に、船旅は大変おすすめだぞ!

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24.

▼東京から海路で金沢へ(前編 大洗~苫小牧

▼東京から海路で金沢へ(後編 苫小牧~敦賀