1990年代前半、世の中は若貴フィーバーと共に「大相撲ブーム」を迎えていた。その中心にいたのは、若花田と貴花田(後の若乃花と貴乃花)の若貴兄弟であったが、千代の富士・小錦・曙・武蔵丸・寺尾……などなど、個性的な関取が多い時代でもあった。

中でも小柄ながら東小結まで上り詰めた『舞の海』は、「平成の牛若丸」「技のデパート」と称され、大相撲ブームの一翼を担っていた1人である。そんな舞の海の華麗な取り組みだけを集めた動画が、YouTube上で公開されているのでご紹介したい。動画のタイトルは『舞の海 好取組集』という。

・YouTubeユーザー「tabli tennisy」氏が作成

まずは動画の作者をご紹介しておこう。YouTubeユーザー「tabli tennisy」氏である。同氏は大相撲の他に、プロ野球・テニス・卓球・バトミントンなどの動画も公開しており、生粋のスポーツ好きだと推測される。中でも卓球関連の動画が多く、底知れないピンポン愛を感じさせる。

・平成の牛若丸

それはさておき、当時の大相撲は小錦・曙・武蔵丸の外国人勢はもちろんのこと、比較的大柄な力士が目立つ時代であった。現役時代、身長170センチ・体重は97キロしかなかった舞の海はかなりの小兵力士であり、生涯成績も385勝418敗27休と負け越している。

それでもファンは舞の海に熱い視線を送り続けた。大柄な力士相手に華麗な技で立ち向かう姿は「平成の牛若丸」と称され、自分より2倍も3倍も大きな相手に土をつける様子は、まさに「柔よく剛を制す」を体現していた。

・技と熱いハートを併せ持つ名力士

中でも1991年11月場所の曙戦は、本人の思い出に残る一番としても語られる名勝負である。身長204センチ・体重198キロの曙を相手に舞の海はどう戦ったのか? 後に「牛若丸vs弁慶」とも言われたこの取り組み……気になる内容は動画を確認してほしい。

入門テストに身長が足りず、頭にシリコンを注入して合格したエピソードはあまりにも有名である。技能だけがフューチャーされがちな舞の海であるが、並々ならぬ情熱を持った熱い力士でもあった。記録より記憶に残る『舞の海』の、華麗なる取り組みの数々をご覧いただきたい。

参照元:YouTube
執筆:P.K.サンジュン
イラスト: マミヤ狂四郎

▼「舞の海 好取組集」だ! 小錦・曙・武蔵丸・貴乃花などなど、そうそうたる相手との取り組みは必見!!

▼浮世絵風
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