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人間にとって身近な動物なのに、まだまだ謎のつきないネコ。例えば、「ゴロゴロという音がネコの体のどこで鳴らされているか」も、「乳首の数がネコによって違う理由」も正確には分かっていないのだとか。

そして「なぜネコは、箱に入るのが好きなのか」というのも、有名な “ネコ謎” の一つだ。この謎には様々な仮説が発表されているので、今回はそのいくつかを紹介したい。

・箱に入るのが大好きなネコたち

ネコ飼いあるあるの一つに、「段ボール箱を開けるとネコがすっ飛んできて、箱に入る」というものがある。箱のサイズにはお構いなし。大きかろうが小さかろうが、とりあえず箱に入ってみないと、ネコの気持ちが落ち着かないようだ。

でも、一体なぜネコは箱に入るのが好きなのだろうか? 

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・「身を隠せて安心できる」という説

現在、この謎に対する説明がいくつか発表されている。中でも最も支持されているのが、「箱に入ると安心感が得られるから」という説。野生のネコは、茂みなどに入って外敵から身を隠しながら、同時に獲物を狙うという狩りの習性があった。ということで、身を隠せる箱に入ると、本能的に安心するのではないかというのである。

また実際に、ネコの安心感と箱との関連性を調べた人もいる。オランダのユトレヒト大学のクラウディア・フィンケ獣医師は、保護施設に収容されているネコたちのストレス度をはかってみたところ、身を隠せる箱が用意されたネコは、箱がなかったネコよりも、短時間で施設に馴染んだということだ。

・電車などで角の席に座りたいような心境か?

確かに、ネコを飼い始めた人がまず教えられるのは、「ネコが隠れられる場所を用意してあげる」ということだ。どこにも隠れる場所のない、だだっ広い空間だとネコは落ち着かないからである。

我が身に置き換えてみても、電車や喫茶店など、真ん中よりも角の席に座った方が安心する。あの少しだけホッとする気持ちを思い浮かべれば、ネコたちの箱好きにも共感することができそうだ。

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・「安心して長時間眠りたいから」という説

「ネコと睡眠の関係性」を指摘する説もある。“寝る子” が語源と言われているほど、長時間眠るネコ。1日の睡眠時間は、平均15時間ほどと言われており、野生環境で安心して長いこと眠るためには、やはり身を隠せる場所が必要だったのではないかということだ。

・「好奇心」説

また、ネコは好奇心いっぱいの動物でもある。自分のテリトリー内の “穴” や “くぼみ” の中など、獲物が隠れていそうなところを毎日チェックする習性を持っているのだとか。そして飼いネコさんにとっては、家の中がテリトリー。そこに箱が登場したら、本能がうずいて放っておけるはずない! という訳である。

この「好奇心説」は、床の上にビニールテープを丸く貼ると、その中にネコが入ってくる「ネコほいほい」ならぬ「ネコ転送装置」の説明にもなるようだ。

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・ネコが好きなのは箱だけではない

そしてネコはジッと見られるのが苦手だと言われている。こちらがジッとネコを見つめると、気まずそうに目をそらしたり、ピュッとどこかに逃げてしまう。飼いネコの生態をまとめた報告書「The Domestic Cat: The Biology of its Behaviour」でも、ネコは緊張する状況に陥ったら、逃げ出す傾向が強いとされている。

逃げ出したネコは、身を隠すために箱だけでなく、引き出しの中やショッピングバッグ、家具の隙間、スーツケース、紙袋などなど、ありとあらゆるところに身を隠すのだ。「姿が見えないなあ」と飼いネコを探して、思わぬところで発見したことのある飼い主さんも多いはず。

他にも、「狭いところで体を丸めるとより温かく感じられるから」という説もあったりするが、いずれにせよネコの箱好きは変わらない。特にお金がかかるものでもないので、積極的にネコに箱を用意してあげよう! けれどもネコは飽きっぽい動物でもある。私(筆者)の家にも、飼いネコが1、2度入った後、全く見向きもしなくなった箱がごろごろと転がっている……。

参照元:Mail Onlinethe nestpetMD(英語)
執筆:小千谷サチ
Photo:Rocketnews24