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みんな知ってるあたりまえ知識。でも100人いたら1人くらいは知らない人がいるかもしれません。今回、ご紹介するのは「恵方巻を食べるときは決して喋ってはいけない 」という知識です。

今や、知名度が全国区となった「恵方巻」なので、皆さんご存知のはず。でも、うっかりしていて、知らず知らずのうちに福を逃して不幸になっては冗談じゃ済みません! ということで、恵方巻の基本ルールをおさらいしてみましょう。

・恵方巻とは?

2000年代初頭くらいから全国のスーパーやコンビニで見かけるようになった「恵方巻」。突然、「節分の日に、縁起のいい方角を向いて食べる太巻き寿司」と言われて、「お、おう」と困惑された方もいたことでしょう。

今では、恵方サンドイッチやら、恵方ロールケーキ、はたまた飲む恵方巻まで登場して、邪道どころかレボリューション状態。その起源をたどると大阪が発祥の地とされていますが、いつ始まったかはハッキリしないらしく、大きく謳われるようになったのは、発祥地の大阪でも戦後であるようです。

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・大阪人が実際にやっている恵方巻ルール

さて、大阪育ちの筆者(私)は、小さい頃から節分の日には母が作ってくれた「恵方巻」を食べていました。スーパーが「恵方巻」を売り出す随分前のことです。我が家で実践していたルールは以下のとおり。

1.その年の縁起のいい方角 “恵方” を向いて食べる。
2.食べるときは心の中で願い事をとなえる。
3.恵方巻の太巻寿司は1人1本。
4.恵方巻を切ってはいけない。
5.食べているときに休憩してはいけない。恵方巻を口から離すべからず。
6.決して喋ってはいけない。

・どう考えてもシュール

イマジン! 想像してみましょう。一家全員が同じ方向を向いて、巻き寿司をラッパを吹くかのようにくわえながら、微動だにせず真顔で黙々と食べているのです。どう考えてもシュール。外国人が見たら、何か良からぬ儀式ではないかと驚愕するに違いありません。

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冷静に考えると笑いがこみあげて来ますが、ルールを守らないと福が逃げて不幸になってしまうというので、わりと必死に食べていました。ローカルルールや、ご家庭ルールはあるようですが、概ね上記のお作法であるようです。

・関西圏以外では知らない人が多い?

日本国民全員に聞いたら、100人いたら知らないのは1人くらいかもな “あたりまえ知識” でしょう。しかし、東日本や九州など大阪から離れた地域に絞って聞くと細かいルールをご存知ない方もいらっしゃるようです。

今日も、都内のお寿司屋さんで太巻きを買ったご婦人が「これ切ったら何切れくらいになるかしらね?」とお店の人に聞いているのを見かけました。お店の方も「8切れくらいですかねぇ」と答えていて、ああああ、このご婦人一家は福を逃してしまうと心が痛みました。

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・やっぱり楽しい恵方巻

たしかに、太巻き1本を、黙って食べるのはちょっとキツイものがあります。でも、年に一度のこと。縁起かつぎにやってみてはどうでしょうか? 2015年の恵方は「西南西」。西と南西の間ですね。家族でやると全員が作法通りに食べきったときの充足感がたまりません。黙っていた分、笑いがあふれるはずですよ。

参考リンク:大阪歴史博物館
執筆:沢井メグ
Photo:Rocketnews24

▼2015年の恵方は、「西南西」! 
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▼1本丸かぶり! 巻き寿司を切ってもいけないし、喋ってもいけません。
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▼何があっても……
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▼喋っては
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▼いけない
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▼しゃべったら不幸になるでっ!?
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▼奇妙な風習と思われるかもしれませんが、やってみると楽しいですよ
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