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人は水なしでは生きていけない。けれども、世界には安全な飲み水が確保できない人々が7億6800万人以上も存在すると国連は発表している……。

そんな人々の渇きを救うために、様々な対策が取られている。しかし今回紹介するのは、想像の斜め一歩上を行く方法だ。なんと、人の排せつ物、つまりウンコを飲み水に変える技術! しかも、あのビル・ゲイツさんが後押ししているというではないか。なんだか、気になる点が満載だ!

・資産の95%を慈善事業にあてるビル・ゲイツさん

マイクロソフトの創業者であり、“大金持ち古今東西” があればすぐに名前があがるビル・ゲイツさん。しかし無駄にお金をたくさん持っているわけではなく、世の中をより良くするために、資産の95%を慈善活動にあてているというのだ! その活動の一つに、アフリカなどの発展途上国の開発援助がある。

そしてゲイツさんは、低予算で排せつ物から飲み水を作り上げることができる工場「オムニプロセッサー」の支援も行っているのだ。

・山盛りの排せつ物が、美味しい飲み水に

一体どうやって、排せつ物を飲み水に変えるのだろう? 工場内では、まず山盛りの排せつ物がベルトコンベアーで運ばれてきて、巨大なチューブに通される。そこで沸騰処理をして、固形の排せつ物と水分を分離させるのだ。

その後、固形排せつ物を超高温の火にくべて、蒸気を発生させる。その蒸気は、発電のために使用されるのだ。生み出された電気は、工場を稼働させたり、販売されたりするという。一方、排せつ物から選り分けられた水分は、浄水器を通り、とても純度の高い飲み水に生まれ変わるのだ。

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・気になるお味は? ゲイツさん「美味しいよ」

さて、もっとも気になるのが飲み水のお味。動画の中で、ゲイツさんはオムニプロセッサー工場で浄化された水を一口飲み、「美味しいね。私がいつも飲んでいるボトルの水と同じくらい美味しいよ」と語っている。

「なるほど」と思いつつも、「そう簡単に、あの水を抵抗なく飲むことができるだろうか?」……なんてつい考えてしまう。しかしゲイツさんによると、“いかに高度な技術で処理されているか分かっているから、安心して飲める” ということだ。

さらに、米政府の定める排出基準をクリアし、摂氏1000度で運用される処理工場に、排せつ物の匂いは一切漂っていないという。

・飲み水も作れて、排せつ物処理もできる施設

ちなみに約150万ドル(約1億8000万円)という低予算で、10万人分の排せつ物を処理することができるこの工場。飲み水を作り出すと同時に、安全に排せつ物を処理できる利点もあるというのだ。

・排せつ物を、河や海に破棄するだけの地域も

現在の先進国で一般的に流通しているトイレには、下水管路や処理施設などの巨大なインフラ整備が不可欠。しかし、開発途上国で、そこまで高度なインフラを整えることは無理だとゲイツさんは述べる。現在、下水処理施設が整っていない地域では、排せつ物を河や海にそのまま廃棄するだけだったりと、ちゃんと処理できてないことが多い。

そこでオムニプロセッサー工場を利用することで、“飲み水” と “排せつ物処理” の両方を提供できるのだ。ゲイツ夫妻率いる『ビル&メリンダ・ゲイツ財団』は、セネガルでの工場建設をバックアップし、本格操業を目指すということである。

「排せつ物を処理して飲み水を作る」という技術には、ちょっとビックリしてしまうが、事態はそれほど深刻なのだろう。なぜなら2025年には、世界人口の3分の2もの人々が深刻な水不足に直面する可能性があると言われているくらいなのだから……。

参照元:Mail OnlineYouTubeForbes、Twitter @BillGates(英語)UNICEFUNDP(PDFファイル)
執筆:小千谷サチ

▼動画を見れば、処理方法がとてもよく分かる

▼「素晴らしい技術を備えた奇跡に乾杯」とゲイツさんのツイート