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突然だが、皆さんは地方に旅行に行った際、お土産をどこで買うだろうか? 観光地や駅で買うのも悪くないが、記者(私)は地元スーパーやコンビニに行くのが好きだ。

先日、石川県に行った際、同じようにスーパーを数件物色していたのだが、あることに気がついた。どこに行っても「とり野菜みそ」というものが200円前後で売っているのである! 北の能登に行っても、南の加賀に行ってもどこにでもあるのだ! 

「とり野菜みそ」とは何なのか。果たして、「とり」なのか「野菜」なのか「みそ」なのか……気になったので買って食べてみた!!

・最もポピュラーな食べ方で作ってみた

石川県民に聞くと、「とり野菜みそ」は石川で知らない人はいないという。だが、全県民が「とり野菜みそラブ!!」かというと、それはわからないらしい。あるのが当たり前すぎて、いちいち「好きっ☆」など、考えたこともないとのこと。それくらい身近な存在なのだ。

そんな「とり野菜みそ」の最もポピュラーな食べ方は「鍋」だ。早速、「とり野菜みそ」を水で溶いて、白菜、豆腐、魚、肉などあるものをブチ込んで煮込んでみた。

・キューンとくる強い味わい! これが石川の味や!!

そして、煮ること約5分。おお、もう完成しちゃったぞ! 見た目は味噌煮込みだけれど、何か違うのだろうか? 早速食べてみると……おおおお、これは……!

まず具材のウマミがフワ~と香ってくる。野菜や肉の風味を邪魔しない柔らかな味噌の味! だが決して薄いわけではなく、全体的に味は強めだ。味はしっかりついているのに、具材の風味が強く活きてウンマイ! これはご飯がススムくんだ!!

この強めの味がいかにも北陸・石川の味である。東京在住の石川県民にも食べてもらったところ「これですわ」と、かみしめていた。

・魚を入れると地元っぽいらしい

県民によると、「とり野菜みそ」に合わない食材はないという。鍋には何を入れてもOKだが、豚バラ、豆腐、魚、しらたき、白菜などの野菜を入れるとウマイとのこと。魚を入れると地元っぽくなるそう。

・江戸時代に生まれたという「とり野菜みそ」

「とり野菜みそ」はそのルーツは江戸時代にさかのぼることができるそうだ。メーカー『まつや』のホームページによると、かつて『まつや』は北前船(きたまえぶね)の廻船問屋を営んでいたそう。

北前船とは、江戸時代~明治に北海道から東北、越中、能登と日本海ルートを通り、山口県下関をぐるっと回って瀬戸内海経由で大阪に行く交易船のことだ。北前船の交易は、各地の経済を潤したそうだが、その航海は長く苛酷なものだったという。

そんな辛い船旅を送る船員のために『まつや』の初代当主が考案したのが「とり野菜みそ」だ。この絶妙に調合された味噌で魚や野菜を煮込み、船員たちに栄養をつけさせたのだという。

・「とり」は「鶏」ではなかった!!

誕生秘話だけで映画化決定ばりのエエ話なのだが、「とり野菜みそ」には、もうひとつ秘密があったの「とり」は鶏肉の「鶏」ではなく、「野菜を摂る」「栄養を摂る」と「とり」だというのである! そ、そうだったのか……!!

確かに、プロの料理人に「完璧に仕上がっているみそ」と言わしめたという絶妙な味付けは、何でもパクパクと食べられてしまう。教えてくれた石川県民も、鍋にする場合は野菜を一般の鍋より多く入れると良いと話していた。とり野菜みそ鍋、栄養をつけたい人、野菜をたくさん食べたい人にはもってこいの鍋だと言えるだろう!

参考リンク:『まつや』 とり野菜みそ
Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24

▼こちらが「とり野菜みそ」だ!
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▼何でも使える調味料らしい
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▼まずは定番の鍋にしてみたい
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▼水と「とり野菜みそ」、そして具材を入れて……
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▼煮ること約5分!
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▼できたーーーーー!!
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▼具材の風味がキュッと引き締まる、決して主張はしないが存在感は抜群の「とり野菜みそ」
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▼味もいろいろあるぞ!
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