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「避妊」と聞けば、みなさんは何を思い浮かべるだろうか? コンドーム? それともピル? または、避妊リングや避妊フィルム、パイプカットなどを想像する人もいるだろう。今回はそんな避妊にまつわるニュースをお届けしたい。

現在、ある画期的な避妊手段が、近い将来に実用化されるかもしれないと海外で話題になっている。それは「ベイサルジェル」と呼ばれる方法で、男性に注射を打てば完了。コンドームのように性行為の度に装着する必要がなければ、ピルのように毎日飲む必要もないのだ。

・パイプカットのようだがパイプカットではない

海外サイトが報じているベイサルジェルの詳細は以下の通りである。先述の通り、ベイサルジェルは、男性が行う避妊方法。男性による避妊と言うと、両側精管結紮切除術、いわゆる「パイプカット」が有名だが、「ベイサルジェル」はそのパイプカットに似ている。

似ているが、決定的に違う点が2つある。1つは手術をする必要がないこと。もう1つが「子供が欲しい」と思った時には、また注射を打てば元通りになることである。

・そのメカニズムは?

精子が通る管を輸精管と言う。ベイサルジェルとは、その管にポリマーヒドロゲルを注入する手法だ。輸精管に注射されたポリマーが精子に作用することで、避妊効果を得られるという。

ホルモン剤を使用しないこの方法は、処置時間がわずか15分で、効果が現れるのは3日後。一回の注射で10年以上効果が持続すると紹介しているサイトもある。

そして、「元に戻りたい」と思った時には、ポリマーを溶かすための注射を打てばいいらしい。その場合、2〜3カ月で元通りになるそうだ。

・インド人研究者が研究開発

この避妊方法は、インド人の研究者によって研究開発されたもので、元々は「RISUG」と呼ばれていた。15年以上にわたるその研究が実を結び、「ベイサルジェル」という名称で、今改めて脚光を浴びているのだ。

・実用化はいつ?

ここで気になるのは、やはり「いつ実用化されるのか?」という点だろう。研究を支援しているパーセマス財団のスポークスマンによると、「順調に研究が進み、サポートを十分に得られれば、2016〜2017年に市場への提供を開始したい」とのこと。あくまでも「うまく行けば」の話だが、あと、2〜3年ではないか!

また、同じくパーセマス財団によると、その費用は「薄型テレビより安い価格が望ましい」とのことだ。

・研究の進展状況

そして同財団は、現在の研究の進展状況についても公表している。それによると、ポリマーを注入した3頭のオスのマントヒヒを10〜15頭のメスのマントヒヒと一緒に生活させて6カ月が経過したが、現在のところ妊娠したメスはいないようだ。

まだ動物実験の段階だが、現在のところは順調に進んでいるもようである。

・ネットユーザーの声

このニュースを知ったネットユーザーは、賛否両論。Twitter などに書き込まれた意見の一部をピックアップすると、「これは楽しみだ」「早く実用化してほしい」といった意見から「結果的に性病が蔓延(まんえん)しそう」「本当にこれで避妊できるのだろうか?」などなど。様々なコメントが散見され、注目度の高さがうかがえる。

確かに、一部ネットユーザーが指摘している通り、コンドームを使わなくなることにより、性病の蔓延等は懸念される。しかし、コンドームもピルも不要で、子供が欲しくなれば注射1本で元に戻せるこの方法は、避妊を考えているカップルにとって魅力的に違いない。実用化されれば、少なくとも有効な選択肢の一つにはなりそうである。

参照元:Mail OnlineParsemus Foundation Vasalgel UpdateTechCITMENT(英語)
執筆:和才雄一郎

▼仕組みを端的に示したイラスト。輸精管の中にポリマーを注入するのがポイント
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