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皆さんはサンドイッチにどんなイメージをお持ちだろうか? 「手軽に食べられる軽食」、「小腹を満たすファストフード」、いずれもサンドイッチを表現するのに、ふさわしい表現である。

その軽食を極限まで突き詰めた逸品をご紹介した。東京・銀座にあるバー「GINZA1954」のカツサンドは見た目が美しく、味も一般的なカツサンドの領域を軽々と越えてしまっている。お笑い芸人のハチミツ二郎さんをして、「世界一美味い」と言わしめる一品なのである。

・格式ある伝統的なバー

住所地は銀座だが、お店はJR新橋駅ほど近い。高級なお店が立ち並ぶなかにある「オーセンティックバー」。その言葉を聞いただけで、記者(私)は店に入ることをためらってしまう。しかも地下にある店舗のため、入ったはいいが持ち合わせが足りなくて、帰れなくなったらどうしよう……と、ビビり上がってしまった。だが、全然怖い店ではないのでご安心を。

・お店の雰囲気が堪らない

店内は老舗だけあって落ち着いた雰囲気。壁面に設えたレンガが、お店の刻んだ歴史の長さを語っているようである。整然と並んだウイスキーのボトルが、暗めの照明に照らされて誇らしく輝いて見える。常連と見られる客とバーテンダーが会話をしている。話の内容はよくわからないのだが、その他愛のない会話の景色さえカッコ良く見えるから不思議だ。

・こだわりのカツサンド

さて、この素晴らしきバーで一体どんなカツサンドを提供しているのだろうか? 注文してから提供されるまで、少なくとも20分程度かかっただろうか。その間、バーテンダーがお店の歴史や料理人のこだわりについて教えてくれたので、待った気がしなかった。カツサンドに使用している肉は宮城県産のもち豚を直接買い付けているのだとか。しかもサンドには、そのロースの真ん中の部分しか使用しないという。

・見た目の美しさに感動

そうしてようやくカツサンドとご対面。まずその見た目に衝撃を受けた。ピンクに染まったロースが大変美しい。かすかににじみ出た肉汁がキラキラと光っているではないか。そして衣の薄さに驚嘆させられる。衣の厚さは推定1~2ミリといったところか。どうやって調理しているのだろうか? 豚肉の形状を崩すことなく火を通し、なおかつ超薄い衣をつけて揚げるのは至難の業。

・ふたつとない

食べると肉の厚さに反して、とろけるような食感である。肉の厚さがウソのように、口のなかに消え入ってしまうのだ。極限まで洗練されたサンドイッチは、私の知り得る範囲のサンドイッチの領域を軽く飛び越えて、別次元の料理として成立している。これを片手にお酒を飲むなんて、ぜい沢にもほどがある。

ちなみに、ハチミツ二郎さんがTwitterで「世界一美味いカツサンド」とつぶやき、画像を投稿したお店が、本当に「GINZA1954」かはわからない。だが、こんなカツサンドを出せるお店はふたつと存在しないので、このお店で間違いないはずである。静かにカツサンドを頬張り、気に入りのお酒と会話を楽しむ。まさに粋な大人のたしなみである。

・今回紹介したお店の詳細

店名: GINZA1954
住所: 東京都中央区銀座8-5-15 SVAX銀座ビル B1F
営業時間: 18:00~翌3:00

Report: 佐藤英典
Photo: Rcketnews24

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