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『ナターシャ通信』は、ウクライナに住むウクライナ人女子・ナターシャがお届けするコラムです。ユニークな日本語はナターシャの個性としてご理解いただければ幸いです。それではどうぞ。

皆さん、猫が好きですか? キエフの市民たちは猫が大好きニャンです♪ 今回はキエフの可愛い猫たちを紹介したいです~。

・たくましい猫「パンテレイモン」

キエフの一番ネコ的な場所といえば、黄金の門の辺りです。ヤロスラウ賢公(1016~1054年在位のキエフ・ルーシの大公)の像の近くには、周りの人を用心深く観察している猫の像があります。この猫は「パンテレイモン」といいますが、キエフの不思議な像の一つです。

パンテレイモンの由来についての言い伝えがいくつかありますが、実は20年前、この近くにあったレストランにグレイ色のパンテレイモン君というペルシア猫が住んでいました。猫はお客さんにとても好かれていました。しかしある日、パンテレイモンはこのレストランに起きた火事に遭って、亡くなりました(泣)。ある話によると、猫はお客さんや店員さんに火事のことを警告して、人々を救ったが、自分が死んでしまいました。

英雄的な猫を記念するために、市民の寄付でこの像がつくられたんです! 今はパンテレイモンに願いことを言うと、絶対叶うという伝説があるので、皆さんも是非キエフに来たら、パンテレイモン君に耳に小さい声でイチィィバン叶ってほしい夢について言ってみてください。絶対叶います!!

・猫が大好きな彫刻家

同じ黄金の門の近くをまわってみると、高い木から忙しい人ごみの行き来を眺めている白い猫を見つけると思います。近づいてみると、この猫ちゃんは実はプラスチックフォークでできていることがわかるんです!

この作品を造ったのは「霧につつまれたハリネズミ」のキャラクター像で有名になった、コンスタンティン・スクレトゥツキーという彫刻家です。スクレトゥツキーさんは猫が大好きな主題らしくて、フォークでできている猫のほか、黄金の門の近くにあるもう一匹の枝から刻まれた猫と100本の足を持っている30メートルからある巨大な猫のモザイクを作り出しました。後者が見られるのは「ぺイザジナ・アッレヤ」という芸術作品でもある子供向けの遊び場です。

・なくなった猫の謎

猫探しの続きでアンドレイ坂に向かいましょう。ここにはかつて、ミハイル・ブルガーコフという有名作家の家の近くにあるレストランの外に、「巨匠とマルガリータ」という彼の小説に出てくるベヘモートという猫の像がありました。小説では、この猫はヴォランドという悪魔のような人物に付き添って、人間のように行動した、あの世からの不思議な存在です。

しかしある日、その謎めいた像が姿を消しました。そして、像の持ち主であったレストランが間もなく倒産しました。昔そのレストランがあったところに、「黒猫」という新しいレストランがあります。そのレストランの守り神は黒猫の形をしている看板です。ベヘモートの行方は今も誰にもわかりません。

幸いなことに、アンドレイ坂でたくさんの生きている猫と出会えます。ある話によると、ここには50匹以上の猫がいるらしいです。皆さんもアンドレイ坂にいらしゃったら、観光客やお土産を売っている店員さんに好かれている猫たちと、会ってみてニャン!

参考リンク:Live Journal(ロシア語)
Report:ナターシャ
Photo:RocketNews24.

▼スクレトゥツキーの作品。100本の足を持った全長30メートルの猫
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▼レストラン「黒猫」の看板
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