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医学生向けに開発されたあるシミュレーターの写真が、ネット上で静かな反響を呼んでいる。パソコン上のバーチャルな患者と、マネキンのある部位が接続されたこのシミュレーターは、医学生がデリケートな部分を触診するスキルを磨くために開発されたものだ。

そのデリケートな部分とは「肛門」だ。身体部位の中でも特に、触診する側・される側ともに大きな緊張を生む箇所であり、もっともデリケートな部分のひとつといっても過言ではない。その肛門の触診用に開発されたシミュレーター、見た目はなかなか衝撃的であるが、医学の進歩に大きな貢献を果たしてくれるのではと期待されている。

・前立腺検査のトレーニング用に開発されたシミュレーター

この「肛門シミュレーター」は、医学生が前立腺検査をトレーニングできるように開発されたものだ。前立腺の検査は、患者の肛門に指を入れて触診することで行われる。マネキンの内部には、学習者の手の圧力を感知するセンサーが埋め込まれており、正確に触診スキルを測定することができる。

・医学生が触診に慣れ、精神的な不安を軽減できるようになる

肛門を筆頭に、身体のデリケートな箇所の触診は、医学生にとっても非常にハードルが高い。触診の際に沸き起こる不安は大きいが、不安を軽減するには触診に慣れる、つまり数をこなすしかない。一方で、触診の練習に使えるシミュレーターはこれまでほとんど存在せず、医学生が触診の練習を積むことは難しかったという。

・バーチャル患者が不安や恐怖を学生に伝えてくれる

このシミュレーターはパソコンに接続されており、画面上にはパトリックという名前のバーチャル患者が現れる。パトリックは、学習者に対して、前立腺検査に対する不安や恐怖を言葉で伝えるという。学生はパトリックの不安の声を聞くことで、患者の不安と向き合い、コミュニケーションスキルを磨くことができるのだそうだ。

・内部センサーで触診テクニックのレベルを正確に測定

また、シミュレーター内部に埋め込まれているセンサーは、学生の触診スキルを正確に測定することができる。学生は、自分の触診テクニックのレベルをすぐに把握することができ、その後のスキル向上に生かすことができる。評価が難しかった触診テクニックだが、これがあれば学生も教員も現状のスキルを確認し、改善していくことができるのだ。

このシミュレーターが導入されている医学部はまだ少ないものの、今後の普及が期待されている。このシミュレータが医学の現場に広く浸透したあかつきには、磨きに磨かれた触診テクニックにて、自信をもって患者の肛門に挑み、症状を正確に把握できる医者が増えているに違いない。かつて緊張にあふれていた肛門触診の現場が、穏やかなものに変化しうる……そんな熱い夢を与えてくれるシミュレーターなのである。

参照元:Geekosystem(英文)
執筆:佐藤 ゆき

▼こちらがそのシミュレーターである。
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