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放送事故とは、テレビで言ってはいけないことを言ってしまったり、見せてはいけないものを見せてしまったりすることだ。特に、生放送は編集ができないので、問題が発生しても対処しようがない。テロップ間違いやアナウンサーのパンチラなど、アッという間に全国へ流れてしまうのである。

それは、国営テレビしかない北朝鮮でも、生放送となると同じであるようだ。韓国メディアによると、2012年4月17日に行われた金日成誕生100周年を祝うコンサートの中継で、なんと放送事故があったのだという。

・金日成誕生100周年記念コンサートでハプニング

番組ではまず、鮮やかなピンクのチマチョゴリを来たアナウンサーが登場。「これから太陽節100周年慶祝  銀河水人民劇場会館公演『忘れるな革命の誓い、その気勢』を実況中継いたします」と優しい口調で紹介する。そして、画面はコンサートホールへと切り替わる。

コンサートホールは実に立派だ。舞台には銀河水管弦楽団がすでに席についており、観客も着席している。今すぐにでもコンサートが始まりそうな感じだ。だが、コンサートはいつになっても始まらない。5分、10分、20分……。いくら待っても始まらないのである。一体、いつ始まるんだ?

・姿を現さない金正恩氏

理由は、北朝鮮の指導者、金正恩第1書記が会場に登場しないからだ。みんな、ひたすら正恩氏の登場を待っているのである。もちろんこのような状態でもテレビは回り続ける。生放送でもお構いなしだ。

・待ちくたびれて爆睡する人も

すると、観客の中には待ちくたびれたのか、うとうと寝始める人も出始めた! 後で怒られないのか心配になる。とにかく映像は30分間にわたり会場の風景を流し続けた。しかし、肝心の正恩氏は姿を見せず、結局コンサートは30分遅れでスタートした。

・北朝鮮人はどう思っているのか?

この放送事故を紹介したのは、韓国のトーク番組「今、会いに行きます」。脱北した女性が毎回10~15人ほど出演し、北朝鮮での日常生活や、脱北した時の様子など、実体験を元に語っていくという異色の番組だ。

そこに出演している脱北女性によると、このようなハプニングが起きた場合でも、正恩氏が登場するまで別の番組に差し替え、なんてことは絶対にあり得ないのだという。

韓国人司会者が「視聴者は退屈するのでは?」と聞くと、脱北女性は「いいえ」ときっぱり否定。「退屈だなんて思いません。北朝鮮では、もしかして将軍(正恩氏)の身辺で何か起きたのでは……こう思うのですよ」と説明した。

・正恩氏のための番組

国の要人が生放送をドタキャンしたら、余程のことがない限り国民から反感を買ってしまうだろう。だが、北朝鮮では問題に対するとらえ方がまったく異なるようだ。国営テレビはまさに正恩氏のための放送といえるかもしれない。

参照元:YouTube
執筆:レイチェル


▼北朝鮮のアナウンサー「これから公演を中継する」とコンサートを紹介
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▼画面は公演会場に切り替わる。立派なホールだ
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▼北朝鮮の高官と思われる男性たちが着席している。しかし、ここからが長かった……
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▼中には寝始める人も。大丈夫なのだろうか
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▼みんな待っている
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▼韓国のトーク番組で北朝鮮の常識について語る脱北女性
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