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列車の旅により彩りを添えてくれるもの、それは「駅弁」だ。台湾では日本と同じようにたくさんの駅弁が売られているのだが、そのなかでもひときわ有名な駅弁がある。

それは、台湾中南部の阿里山を走る登山鉄道「阿里山森林鉄道」の奮起湖駅の駅弁だ。ここの駅弁は、台湾駅弁界のベスト3にも入るそうで、現地では「奮起湖に来て弁当を食べないなんて、人生損してるレベル」と言うほどだというのである。

・村長さんお勧めの弁当屋へ
弁当が有名な地とあって、奮起湖駅付近にはたくさんの弁当屋がある。どの店からもおいしそうな香りが漂ってくる。しかも見かけた店、全てで行列ができていた。これでは、どこで買うべきなのかわからない! 集落の李村長にうかがったところ、奮起湖駅の目の前の階段を下ったところにある「雅湖鉄路弁当」を紹介してもらった。

・弁当は美味しくてモリモリ!! これで330円ってマジかよ!?
「雅湖鉄路弁当」でお弁当を注文。しばらくするとお店のおじさんがホカホカの弁当を持ってきてくれた。その中身は以下のとおり!

・ご飯、・メインの肉(豚か鶏)、・サヤエンドウ、・キャベツ、・桜でんぶのような甘い漬物、・ショウガの甘酢漬け、・たくあん、・大根の漬物、・味付け玉子、・梅、・メンマ、・ソーセージ

とにかくモリモリだ。おかずが弁当箱からあふれそう。肉にいたっては顔ほどの大きさがある。観光地なのに、このボリュームで100台湾ドル(約330円)はめちゃめちゃ良心的だぞ! 

・弁当は素朴で優しい味、旅の疲れを癒してくれる
弁当からは、甘い香りが漂ってくる。肉は照り焼きのような素朴で優しい味だ。とても柔らかく、中までしっかりと味がしみていてご飯や野菜によく合う。

漬物類がたくさん入っているのだが、どこか懐かしい味。おかずはどれをとっても珍しいものではない。しかし、「ふ~っ」と、まるで家に帰ったかのようにホっとする。旅の疲れを癒してくれる、そんな味なのだ。

・60年の歴史ある奮起湖駅の弁当
なぜ奮起湖駅の駅弁文化はこんなに栄えているのだろうか。それは、昔から、多くの林業従事者や観光客がこの鉄道を利用していたことによる。

以前は、朝にふもとの駅発の汽車に乗ると奮起湖駅に着くのは昼食時だった。乗客は食事をしなければならないのだが、台湾の気候では弁当を数時間も持ち歩いていたら腐ってしまう。ふもとから食事を持ってくることはできない。

そこで周囲の店が乗客に温かくて美味しいものを提供しようとしたのが奮起湖弁当・60年の歴史の始まりだそうだ。提供された弁当は、温かく、また味も絶品だった。弁当の評判がクチコミで広がり、奮起湖の弁当は台湾中に名をとどろかせるようになったのだそうだ。

阿里山森林鉄道は2009年の台風被害や事故の影響で、現在も一部区間が運休中、奮起湖駅もそのなかに含まれている。まだ、しばらく汽車から身を乗り出し駅弁を買う光景は見られないが、それでも多くの人々が駅弁を買い求めに奮起湖にやってくるのである。

Report:沢井メグ

▼阿里山森林鉄道・奮起湖駅

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▼列車は運休中だが、観光地としてとてもにぎわっている

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▼こちらが村長さんに勧めてもらった「雅湖鉄路弁当」

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▼温かいお弁当を提供するため、注文んを受けてから作る

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▼このボリュームで100台湾ドル!(約330円)

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▼肉でかい!

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▼顔ほどの大きさである

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▼こちらが鶏肉バージョン

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▼ほかのお弁当屋さんも大盛況だ

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▼車庫ではさまざまな車両の展示がされている、こちらも要チェックである

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奮起湖駅