hunt_cia
ドラマなどでもお馴染みのアメリカの情報機関「CIA(アメリカ中央情報局)」。CIAが世界中のTwitterやFacebookの投稿を日々監視していることはロケットニュース24でもお伝えしたが、その情報収集がさらに強化されるようだ。

なんと、CIAの最高技術者イラ・ハント氏が「世界中で増え続けている携帯メールからTwitter、動画といったあらゆる情報の全てを入手したいと考えている」と発言したのだ。実際に、CIAは6億ドル(約570億円)をかけて、アマゾンとクラウドコンピュータの契約をするなど、着々と情報収集体制を整える動きを見せている。

・「断片的な情報を集めて、つなぎ合わせることが必要」
ハント氏が今回の発言をしたのは、最近ニューヨークで開催された情報技術者向けの会議でのことだ。ハント氏は情報収集の重要性に関して次のように説明している。

「断片的な情報の価値は、将来それが別の形になって表れて初めて認識されるのです。一つ一つの情報がなければ、情報同士をつなぎ合わせることもできません。ゆえに、我々は基本的に全ての情報を入手し、それらを永遠に管理することを目指しています」

・テロ容疑者の航空機搭乗を止められなかった「過去の失敗」
ハント氏が「断片的な情報をつなぐ」必要性を力説する背景には、過去の苦い失敗がある。それは、2009年のクリスマスに起きたデルタ航空機爆破テロ未遂事件。事前に容疑者に関する情報を入手していたにもかかわらず、爆発物を所持していた容疑者の搭乗を止めることができなかったのだ。

この件については、ホワイトハウスもCIAの責任を認めている。今回示されたCIAの情報収集に対する並々ならぬ意気込みは汚名払拭をかけてのことなのかもしれない。

・570億円をかけてアマゾンとクラウド契約
CIAは最近、オンライン通販最大手のアマゾンと10年間にわたるクラウドコンピュータの契約を結んだばかりだ。この契約に割り当てられた予算は、なんと6億ドル(約570億円)。今回の会議では、この契約に関する直接的なコメントはなかったものの、CIAの膨大な情報を蓄積し、分析したいという意図は明らかだ。

CIAは公式サイト上でも、データを分析する情報担当者を募集しており、徹底的な情報収集体制を整えようとしている。

・プライバシー問題に対するコメントはなし
CIAがここまで徹底的に情報を収集・分析する目的は、もちろん「国民の安全保障」だ。とはいえ、国家機関が「個人が気付かないうちに発している細かい情報も含めて、全てのデータを保管し分析する」となると、気になるのは「個人のプライバシー」という問題である。

ハント氏はプライバシー問題が存在することは認めたが、具体的にそれについて触れることは無かった。

・「予算の無駄づかい!」という批判
こうしたCIAの方針を、市民はどのように受け止めているのだろうか? ハフィントンポスト上に寄せられているコメントを見てみると、

「こんな大金をかけて電子機器を契約するなんて、国はさらなる借金を負うことになる!」
「本当に私たちのことを監視しているというなら、今朝私の家の芝生に犬の糞を置きっぱなしにした飼い主を教えてください!」
「これからはハードデスクが壊れても、CIAがデータを保存してくれてるってことだな。よかった!!」

など、CIAの意気込みとは裏腹に批判や皮肉に満ちたコメントが多い。

この試みがアメリカにとって吉と出るか凶と出るか。それはCIAの言葉どおり「将来になってみなければ分からない」のだろう。

参照元:Youtube LeakSourceTVThe Huffington Post(英文)
執筆:佐藤 ゆき