他人がかゆそうに身体を掻いているのを見ると、なぜか自分までムズムズとしたかゆみを感じて掻いてしまったという経験がみなさんにもあるだろうか。最新の研究によると、身体を掻く動作を見るだけで “かゆい” という感覚は伝染し、神経質でマイナス思考の人ほどうつりやすいという。

英国のハル大学とサセックス大学の共同研究チームは、51人の男女を対象にかゆみの伝染について調べるためある実験を行った。まず、被験者たちには性格診断テストを受けてもらう。次に、人が身体を掻いている様子を映した映像を見せ、そのとき被験者の脳がどのように反応しているかをMRI検査によって調べた。

結果、他人がかゆそうにしている映像を見たとき、脳内の一部分の動きが活発になっていることが判明。これは、実際に自分自身がかゆみを感じているときに起こるものと同様の反応だという。

また、実験では64パーセントの被験者にかゆみの伝染がみられた。この結果と彼らの性格診断テストの結果とを照らし合わせると、実際にかゆみを感じた被験者たちには神経質な性格やマイナス思考の人が多かったそうだ。

研究チームを率いたヘニング・ホレ医師は、「神経質やマイナス思考の人は、一般的に敏感な感情の持ち主でありストレスにも弱いとされています。このような人々ほど他人のかゆそうな様子に影響を受けやすく、かゆみの伝染を引き起こしてしまうことがわかりました」と語っている。

「逆に、ポジティブな性格で精神状態が安定している人はかゆみが伝染しにくかったのです。彼らは他人がどんなにかゆそうにしていても、実際に自分自身の身体がかゆくない限りかゆみの衝動をある程度コントロールできるのだと考えられます」とのこと。

ちなみに、人間の行動のうち「笑い」や「あくび」も伝染するものとして知られているが、過去の研究によると両者とも他人にうつる確率は50パーセントほどとされている。そのため、今回の実験で64パーセントの人にうつったかゆみは、笑いやあくびよりも伝染しやすい可能性があると研究者らは考えているようだ。

人がかゆそうにしているのを見るとなぜか自分もかゆくなって掻いてしまうという方、ネガティブになりすぎていないだろうか。ちょっとしたことだが、少し意識してみると普段は気付かなかった自分の性格が見えてくるかもしれない。

参照元:Mail Online(英文)
photo: flickr BJ Carter