ニューヨークで絶大な人気を誇るベーカリーレストラン『サラベス』(Sarabeth’s)。ここは朝食が美味しいと評判のレストランで、映画、テレビ、出版、あらゆる分野に影響を与えているレストランでもある。

・なんと2時間待ちの人も
2012年11月1日、東京・新宿のルミネ2にオープンした『サラベス』。「ニューヨークで絶賛されてるレストランが上陸したぞ~!」ということでマスコミが大々的に報じた影響もあり、多くの人たちが『サラベス』を訪れ、なかには2時間待ちという人までいた。

・何十分も並んでまで食べる料理ではない
基本的に日本の主流メディアは『サラベス』を手放しで「美味しい」と絶賛しているか、単なるレストランの紹介で終わっていると思うので正直に書くが、行列に何十分も並んでまで食べるほど「心に響く絶品料理」ではないと、男性である筆者(私)は感じた。

・上品かつ「コッテリしすぎない美味しさ」を感じる
ニューヨークをはじめとした北米の朝食のなかでみれば、『サラベス』の朝食は上品かつ「コッテリしすぎない美味しさ」を感じることができる料理ではある。評価される理由もわかる。ニューヨークに1カ月滞在して毎日のようにフレンチトーストを食べていたとすれば、『サラベス』のフレンチトーストが美味しいと感じるのは明白だ。しかしそれは北米だから評価されているのであり、日本に移れば「人の舌」も変わる。

・トーストの焦げ色が摂食中枢を刺激する
たとえば店員がイチオシしていた「フラッティーフレンチトースト」(1200円)。盛り付けが芸術的で美しく、非常に食欲をそそらせるトーストの焦げ色が摂食中枢を刺激する。その食感は思ったよりも重くなく、そして綿菓子のようにふんわりとしている。

・酸味が「後味の悪さ」となって現れる
だが、食感の素晴らしさに味が伴っていない。一般的に食パンは美味しさとして「ほのかな酸味」を有しているのだが、このフレンチトーストはその酸味があだとなり、上品な甘さのあとに酸味が「後味の悪さ」となって現れる。

・上品だが「まだまだ大味」
バターやメープルシロップはしつこさのない上質なものを使っているのは好感が持てるが、トーストの状態も含めて全体的に評価すると大味に仕上がってしまっている。「素材の味を生かしている」ともいえるが、素材の味に任せっぱなしなのも問題といえる。

他のオムレツやパンケーキなども大味(または ほとんど手を加えていない味)と感じる人がいるはずだ。余談だが、本当に素材の味を生かしている店とは、「素材をそのまま出している店」ではなく「素材に秘めている味を調理スキルによって引き出している店」のことをいうのである。

・総評
「ニューヨークの中で高評価なのは理解できる。しかし日本で受け入れられるとは限らない」というのが総評である。この料理が悪いというわけではない。美味しいのは美味しい。しかし1200~1400円を払うのであれば、日本にはもっと多くの「優先すべき選択肢」があるのが現状だ。

「それでも話題だから一度は行ってみたい」という人は、他の料理よりもうま味成分が多く含まれている「マフィンの上にポーチドエッグが盛られているベネディクト」を注文するといいだろう。

・観光地化して成功している店もある
あくまで予想でしかないが、リピーターを作るのは非常に至難の業だと思われる。しかし『ビルズ』や『エッグスンシングス』のように観光地化して成功している店もあるため、同じ流れで成功していくことは可能かもしれない。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 サラベス(Sarabeth’s)
住所 新宿区新宿3-38-2 ルミネ新宿店 ルミネ2 2階
時間 9:00~22:00
休日 無休

Correspondent: Kuzo