常に友人とつながっている感覚を味わえるソーシャルメディア。そのテクノロジーは日々進化しているが、ついにソーシャルメディア上で得たフィードバックを身体で体感できるツールが開発されて、話題になっている。

米マサチューセッツ工科大学の学生が開発した「Like-A-Hug」という名のジャケットはまさに「着るソーシャルメディア」。このジャケット、Facebookの投稿に誰かが「いいね!」を押したら、ハグされているような感覚が味わえるのだ。

マサチューセッツ工科大学の学生メリッサ・チョウさんはなにげない会話の中でこのジャケットの案を思いついたのだという。「長距離恋愛やスカイプのようなチャットアプリの限界について話していたときにふと思いついたものなの。離れた場所の人とも対面しているかのように会話できるテレプレゼンス技術を使うことがひらめいて、それからワイヤレス技術を使ってハグを受け取るというアイデアを膨らましていったのよ」とのこと。

こうして徐々に構想が練られて生まれたのが「Like-A-Hug」である。Facebookに投稿した写真やビデオ、文章に対して誰かが「いいね!」ボタンをクリックしたら、ジャケットの中のエアポケットが膨らみ、まるでハグされているような感覚を着用者に与えるのだ。

「ハグされている感覚で、あたたかさ、励まし、支えられている感覚、愛情を感じることができます」とチョウさんは話す。また、着用者はジャケットをしぼませることによって「いいね!」を押してくれた人にハグをお返しすることもできるそうだ。

英メディアのDaily Mailでの反応は「もっと人生楽しめよ!」「自分の部屋から出て、リアルな人間に会うべき!」「こんな商品が欲しくなるとしたら悲しい」などという皮肉まじりのコメントが多い。

確かに現実社会での人との交流を拒否して、このジャケットから得られるハグがすべてになってしまったら悲しい。だが、チョウさんはこの試みについて「Facebookと連動させるというアイデアは、ソーシャルメディアの使い方がキーボードとマウスによるこれまでの操作方法から一歩前に進めるかどうかを実験するための一つの方法にすぎない」という。

ソーシャルメディアはネット上の空間を超えて、徐々に現実に感じられるものへとシフトしていくのかもしれない。そんなことを思わされる一品だ。

(文=佐藤 ゆき
参照元:Mail Online(英文)、Youtube nadya maharani