進化生物学の学者たちによると、胸はほどんどが脂肪でできており、これが男性にその女性は健康体であること、ひいてはその女性の体が子どもの出産、養育に問題ないことを伝えるため、男性は女性の胸に注目してしまうらしい。

また他にも、次のような考え方がある。
「多くの霊長類は、オスがメスの後ろに立ってセックスをするというスタイルをとっており、それがメスの猿たちが、お尻に “凝った広告” をする理由である。そして人間の女性の胸は、そのお尻の曲線に似せるように発達してきた」

しかし『The Chemistry Between Us』を書いたYoungさんとAlexanderさんの2人は、これらの考えに異議を唱えており、男のおっぱい好きは、授乳期間に女性の脳内で分泌されるホルモン “オキシトシン” と深い関わりがあると主張している。

そのホルモンは母と子のつながりを強める働きを持っているのだが、そのことについては『The Chemistry Between Us』の中で2人が詳しく説明している。

【『The Chemistry Between Us』に記されている文章】
「女性が子どもを産んだ時、子どもは母親の胸をかなり触ることになります。するとこの刺激が神経を通して、母親の脳に信号を送ります。そしてその信号は、脳の視床下部からオキシトシンという神経化学物質を分泌させるのです。このオキシトシンの分泌は結果的に、母乳が出るよう女性の胸の平滑筋を刺激し、授乳を可能にさせるのです」

「しかしオキシトシンの分泌には、他の効果があります。子どもの意図通り、母親の脳にオキシトシンが分泌されると、母親の注意は子どもに向きます。そして子どもは、その母親にとって世界で最も大切なものへと変化するのです」

「恋人が、女性の胸を触ったり、揉んだり、かじったりした時、授乳の時と同じ反応が女性の脳で起こります」

また次のようなことも、『The Chemistry Between Us』には記されている。
「オキシトシンは、ドーパミンと共に機能すると、新生児の顔、におい、音を母親の報酬回路(欲求が満たされた時に、快楽を覚えるところ)に記憶させるという性質を持ちます。それが授乳や育児を気持ちのいいものに変え、そのおかげで母親はそれらの行為を持続して行うことができるのです。そしてそれは、母と子のつながりを強める働きも持っています。そのつながりは、全ての社会的つながりにおいて最も美しいものだけではなく、一生続く最も永久的なつながりでもあるのです」

そして2人は著書のなかで人間は、相手と面と向かってセックスを行う数少ない動物の一種であることも強調している。

つまり胸の刺激から分泌されるオキシトシンと、前戯の興奮や向き合ってのセックスの興奮から分泌されるドーパミンが組み合わさると、恋人の顔や目が幸せな感情と結びつくというわけだ。そしてそれが、恋人間のきずなをより強くしているのである。

これらのことを踏まえて、2人は次のように男性のおっぱい好きについてまとめている。
「男性の胸好きは、恋人的かつ親子的つながりを生み出す強力な “つながり回路” をオンにしようとする、進化のなかで生まれた無意識な欲望である」

つまり簡単に言うと、男性は本能的に、女性の胸を刺激すれば、相手の関心を自分に向けられることを知っているということだ。そしてそれゆえに、2人の関係を深める上で、ひいては自分の子孫を残す上で重要なその “愛情スイッチ・おっぱい” が、気になって気になって仕方がないということなのだろう。

どうだっただろう? 納得できただろうか? 今回の主張が正しいか間違っているかについてはなんとも言えないが、正直男のおっぱい好きに関して、これほど研究が進められていたとは驚いた。やはり男たるもの、「なぜ自分が、こんなにおっぱいが好きなのか?」と気になってしまうということなのだろうか? うーん、男のロマンである。

(文=田代大一朗
画像:flickr/uzi978
参照元:Daily Mail(英文)

▼こちらがYoungさんとAlexanderさんが書いた『The Chemistry Between Us』