イギリス南東部の小さな村が、旅行者の通報によりパニックになった。「草むらでライオンを見た!」との情報を受け、警察はヘリコプターと武装警察官を配備し、ライオンの捕獲作戦を決行したのである。Twitter上には、ライオンのような四肢動物の画像が出回り、ネットユーザーの間で拡散して近隣住民に注意を呼びかけた。

ところが……、いくら探してもライオンは見つからない。動物園からもサーカスからも、ライオン逃亡の情報はなく、旅行者以外から目撃情報は得られなかった。数日を経て、どうやら目撃された動物は「巨大な猫」だった可能性が出てきた。ライオン目撃はただの誤認だったのか?

この騒ぎは、2012年8月26日にエセックス州セント・オシスで起こった。旅行者の通報により、警察はトレーラーハウスの住人を避難させ、陸上には武装警察官30名と麻酔銃を持った動物園職員を展開。上空からはヘリ2機を飛ばし、近隣をくまなく探し回った。そして近隣住民に対して、「外出の際は十分に警戒するように」と注意を呼びかけたのである。

ところがライオンが逃亡したとの情報はなく、近隣を探し回っても、毛やフン、爪などの痕跡はどこにも見つけられなかった。ネット上ではお祭りのような騒ぎが続いているだけで、「見た」という証言も浮かび上がってこない。

テレビでライオン騒動のニュースを見ていた視聴者から、意外な情報がもたらされ、事件は急展開を迎える。とある女性がテレビで紹介されていた画像を見て、「どう見ても猫だと思うんですけど」と指摘したことにより、ライオン騒ぎは収束に至ったのである。

目撃されたのは、トレーラーハウスで飼われていたと思われる「メインクーン」という種のイエネコだ。これは「穏やかな巨人」という異名を持つ、イエネコのなかでも取り分け大きな種のもの。近隣で放し飼いにされているものは体長が1メートル以上あり、体重約11キロの巨大猫だ。キツネと間違われることが頻繁にあるのだとか。

どうやら旅行者が、メインクーンをライオンと見間違えたようである。またネット上に広まった画像は、ネットユーザーの加工したものだったことが指摘されている。いずれにしても、「エセックスのライオン」は幻であったようだ。

それにしても、人口約4000人の村は平静を取り戻し、住民たちは安心して夜をすごせるようになったのだとか。TwitterやFacebookは情報を伝播するのに長けているが、その内容を精査するのは難しいのかもしれない。

参照元:MailOnline(英語)

▼ こちらが「穏やかな巨人」の異名を持つメインクーン

▼ そしてこちらが、ネットユーザーが加工したとされる画像