いまだかつて、これほどひどいボクシングの試合があっただろうか? 少なくとも記者(私)は見たことがない。何しろ1ラウンドで6回のダウンをしながら、レフェリーは一度もカウントせず、挙句の果てにダウンを繰り返したした選手が判定勝ちしてしまったのだ。

対戦カードは男子バンタム級、日本の清水聡選手対アゼルバイジャンのマゴメド・アブドゥルハミドフ選手。第3ラウンドでマゴメド選手は防戦一方となり、少なくとも6回ダウンしている。そのひとつもカウントされることがなく、判定で勝利。これを不服とした日本選手側は試合後に提訴し、判定が覆ったのである。

これまでも判定に関する問題は、他の競技でもあったのだが、ロンドン五輪はいったいどうなっているのだろうか?

試合は2012年8月1日に行われた。第3ラウンドが始まってしばらくしたところで、マゴメド選手の足元がふらつきはじめ、清水選手にもたれかかるようにしてクリンチを繰り返す。この段階でパンチはほとんど出ていない。さらに時間が経過すると1回、2回とダウンし始めるのだが、レフェリーはダウンのカウントを取ろうとせず、あたかもスリップのような対処をするのだ。

そして3回目にダウンした際に、清水選手は勝利を確信して、両手を上げるのだがこれもカウントされず。最終的に6回ダウンしているのだが、すべてノーカウント。あきれるのは判定の場面だ。勝者マゴメド選手として、レフェリーは彼の手を高らかにあげるのだ。

おそれながら記者(私)は、ボクシングに精通しているわけではない。しかし、どう見ても清水選手が優勢であったことは明白。ダウンがカウントされないこと自体が「不自然すぎる」と言わざるを得ない。結局日本側の提訴により判定は覆り、清水選手は次の試合へとコマを進めることとなった。

そしてこのレフェリーはオリンピックから追放されたのである。この騒動にいたるまでに、判定をめぐるトラブルが相次いでいる。公平で公正なジャッジをしてくれることを願うばかりだ。

参照元:時事通信