ファーストシングル「夏だね☆ / 負けないで☆」を全国リリースして以来、快進撃の止まらないヘビーメタル系アイドルユニットの「アリス十番」。新参アイドルながら、オリコンデイリーチャートでは最高15位(総合)を記録し、ウィークリーチャートでは21位(総合)、そしてインディーズチャートでは3位にという快挙を成し遂げた。

最近になって「T.M.Revolution」の西川貴教さんヤンキー系ロックバンドの「氣志團」お笑いグループ安田大サーカスのクロちゃんまでもが彼女たちに関心を寄せているという。いったいなぜ、彼女たちが注目されているのか。単独インタビューを行いその秘密に迫った。

■三グループ合体ユニット、誕生の舞台裏
アリス十番が誕生したのは、いまからちょうど一年前の2011年8月。実は国内最大級のアイドルフェスティバル「TOKYO IDOL FESTIVAL 2011」に出演するために結成されたユニットだった。しかし無名の地下アイドルのために用意された出演枠は、ひとつしかなく、三つのユニットの出演は困難。そこで合体したユニット「アリス十番」が誕生したのである。

■練習場所は近所の公園
当初17名の大所帯だった彼女たち、事務所は手狭で練習場所の確保もままならなかった。そこで、極力近隣の迷惑にならないように注意しながら、近所の公園で練習を繰り返していた。リーダー桜のどかさんは「(公園の)棒や大きな石が練習の妨げになることもありました」と語っている。また、森カノンさんは「虫刺されに悩まされました」と振り返っている。しかし、近所の子どもたちが一緒に踊り出すこともあったのだとか。

■自らの励ましになった「負けないで☆」
両A面のシングルには「負けないで☆」という曲が収録されている。この曲は、東京・葛西臨海公園で行われたラーメン復興支援イベント「believe nippon」のテーマ曲になっていた。そのタイトルの通りに、エールを送る内容なのだが、彼女たちはこのイベントに9日間出演している間に、自らの励ましとしても歌っていたのである。

■困難相次ぐ
2012年3月に元メンバーの不祥事が発覚した後、楽屋での雰囲気は重苦しいものになった。麻友美さんは「ファンの皆さんにもどう思われているのか、不安でした」と、ステージに立つのにも不安を覚えたと告白している。そのような状況でメンバーのケガが重なり、同イベントのときのポテンシャルは好ましいものではなかった。だが、「『負けないで』というメッセージに自分たちも励まされていました」と月村麗華さんは語る。取り分けこの曲には思い入れが強いようだ。

■本領はライブ
メンバーの変動があるたびに、ライブのフォーメーションやパフォーマンスが変更される。日ごとに変わるライブ演出を、彼女たちは強靭な精神力で乗りこなした。一時は存続も危ういような状況に直面しながらも、彼女たちは困難を乗り越えてさらに結束を強めたのである。そのモチベーションを維持しているが、実はライブそのものにあった。

早瀬愛夢さんは「(ライブを)やらないという選択肢はありません」ときっぱり。また、藤崎麻美さんは「ファンの皆さんが喜んでくれるのが嬉しいから」と、期待に応えることそのものが喜びであるという。そしてメンバー全員が「ライブは楽しい」と言い切る。どうやらアリス十番自身が楽しんでいることが、観る人を魅了しているのかもしれない。

ヘビメタアイドルとは何ぞや? そう思った方は音源を聞く前に一度ライブを観てみると良いかもしれない。従来のアイドルにはない圧倒的なパフォーマンスと、秀逸な楽曲に「なるほど」と思わされるのではないだろうか。今夏はすでに野外フェスの出演が決まっている彼女たち、快進撃はますます続いていくことだろう。

参照元:Twitter @TMR15,@ShowAyanocozey,@TE_RUR_ET,
アリス十番ファーストシングル『夏だね☆ / 負けないで☆』初回盤通常盤
取材協力:アリスプロジェクト,アリス十番
Photo:Rocketnews24

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