新しい出会いがあったり、初めての場所に出かけた休日は、あっという間に過ぎてしまう。でも後から振り返ると、単調な平日と比べて、長い時間だったような気がすることはないだろうか?

時間が過ぎてゆくその瞬間は速いのに、後から振り返ると長いという、この休日によくある時間の感覚は「休日パラドックス」と呼ばれる。こうした現象が起きるのは、時間に対する感覚と記憶できる行動の数が影響しているらしい。

「休日パラドックス」という呼び名を生み出したのは、心理学の講師であるクラウディア・ハモンド氏だ。ハモンド氏は心理学の学会で、このパラドックスの仕組みを次のように説明した。

普段の生活は一般的に、単調でパターン化されているので、二週間でせいぜい6~9つのことしか記憶に残らない。しかし、充実した休日では一日に6~9つの記憶に残る経験をする。そのため、その瞬間はあっという間に過ぎてしまうものの、後から振り返ると記憶に残っていることが多いので、長い時間だったように感じるのだという。

このパラドックスは、多くの人が青春時代を過ごす15歳から25歳の期間が、あっという間に過ぎ去ってしまうものの、何年か後に人生を振り返ったときに長い期間だったように感じるのと同じ仕組みだ。

青春時代、人は初めての経験を積み重ねていく。初めての恋、初めての仕事、初めての独り暮らし。どれもその瞬間は目の前のことに夢中であるため、あっという間に時間は過ぎてしまう。だが、後から振り返ると多くの経験がしっかりと記憶として残っているため、長い期間だったと感じるのだ。

「人生が長かったと思いたいのであれば、行ったことの無い場所に行く、出会ったことのない人々に出会うなど、多くの行動をした方がよいのです。」と、ハモンド氏は提案する。

矛盾しているように聞こえるかもしれないが、人生をスローダウンさせるには、逆に多くの新しい経験を積極的に積み重ねていくべきなのだ。休日に限らず、普段から新しいことにどんどんトライしてみてはどうだろうか?

(文=佐藤 ゆき
参照元:Mail Online(英文)