もしもあなたが、「生きる意味とは……」「価値ある人生とは……」と悩んだときは、難しいことを考えずにこれから紹介するある人物の生き方を思い出してみると、何か良いヒントが得られるかもしれない。

イギリス在住のジョー・マシューズさん(25)は、18歳のとき息切れに悩まされ、医師の診察を受けた。心臓の筋肉が持つ収縮機能が低下し、心臓が拡大化してしまう「拡張型心筋症」と診断される。その後すぐに入院し、さらに詳しい検査をすると「不整脈」を併発していることも判明。彼の容体は非常に危険な状態にあり、一時は心臓が停止することもあった。

心臓移植以外に助かる道はないと宣告された彼は、ドナーが現れるのを待つあいだに、病院で19歳の誕生日を迎えた。1カ月後、心臓提供者が決定するとすぐに移植手術が行われた。術後数日間は危険な状態になると医師から告げられていたものの、移植された心臓への拒絶反応もなく驚異的な回復をみせ、手術から2週間で退院した。

その後、彼は自分自身にある誓いを立てた。「心臓を提供してくれたドナーのためにも、2度目のチャンスが与えられた自分自身のためにも、この命を最大限に生きてやる」と。

医者からは、激しい運動など心臓の負担になるようなことは一生しないよう忠告されていたが、新しい人生を最大限に生きると固く決意した彼に効き目はなかった。もともと運動好きだったこともあり、手術からわずか1カ月でジョギングを開始。1年後にはハーフマラソンを完走した。

その後も次々と彼の挑戦は続く。ロンドンマラソンを走り、昔から好きだったラグビーを再開し、上空5400メートルからのスカイダイビングに挑戦した。さらに、サーフィンやスノーボード、ハイキングなどを趣味にして人生を楽しんでいる。

そして昨年、2年に1度開催される「世界移植者スポーツ大会」に出場。臓器移植者によるこの国際大会で、彼はイギリス代表として100メートルを走り、移植手術経験者としては英国史上最速の11.06秒というタイムをたたき出した。

彼はこう語っている。「この命を最大限に生きることができなければ、2度目のチャンスを与えられた意味がありません。心臓を提供してくれた匿名のドナーのおかげで今の私がいます。そのことを毎日感謝しています」。

彼は自らが一生懸命生きることで、同じ臓器移植患者を励ましたいという。また、自分のことをより多くの人々に知ってもらうことで、臓器提供者が一人でも増えればと考えているそうだ。

最後に、退院直後の彼がドナーの家族に宛てた手紙の一部をご紹介したい。「私は、ドナーになってくれた方のことをよく知りません。ただ、みなさんにひとつだけ伝えたいことがあります。みなさんの愛する人が、私という人間を通して素晴らしい人生を送れるよう最善を尽くします。与えていただいた2度目のチャンスを最大限に生きていきます」。

参照元:Mail Online(英文)

▼移植手術後のジョーさん

▼ここからは「人生を最大限に生きる」ジョーさんの姿をどうぞ……