自分は美しい、自分は人より優れている――自信に満ち溢れている「ナルシスト」。自分に自信があれば人生をポジティブに楽しく生きられるように思える。ところが最近の研究で、ナルシストの男性は慢性的なストレス状態にあり、病気にもなりやすいということが判明した。

興味深いことに、これは男性にのみ当てはまり、女性の被験者にはナルシスト度とストレス度に相関性は見られなかった。

調査では、106人の男女を対象に性格診断を行い、被験者らから採取した唾液を分析。唾液中のコルチゾール(ストレスにより分泌される副腎皮質ホルモン)の分泌量を調べることで、ナルシシズム、つまり自己陶酔がストレスへの耐性とどう関係するかを調べた。

すると女性のコルチゾール値がナルシスト度とは無関係だったのに対し、男性はナルシスト度が強い人ほどコルチゾールの値が高く、リラックス時でも値は下がりにくかった。つまり男性のナルシストは常に無意識のストレスを感じており、コルチゾールの過剰分泌は高血圧や高血糖、免疫力の低下の原因ともなることから病気にもなりやすいと言える。

結果が男女で異なる理由は明らかになっていないが、実験を行った心理学者らは、男性は女性に比べて自らの特性を際立たせなければという本能的なプレッシャーを感じやすいのではと推察している。

実験に携わったミシガン大学のレインハード氏は、「自己評価の高い男性には、自分は優秀な人間なのだからかくあるべき、という思いが常にあるようです。それが緊張状態、心拍数や血圧の上昇などを引き起こしているのでしょう」と述べている。

「自らに自信があるという性質ゆえに、他人の目を意識するし、自分の優越感が崩れる恐れがあると、過剰な防御本能が働きます。これにより慢性的なストレス状態に陥ってしまうのです」

これまで心理学者らの間では、ナルシスト本人は自らを幸せだと思っていても、実際は不安や不幸などの精神的様相を呈していることが多いと考えられてきた。今回の研究結果は、その説を科学的に裏付けるものとなった。

自分に自信を持つという意味で多少のナルシシズムは大切だが、度を過ぎるとうつ病や性格破綻など、精神病の原因にもなり得るという。自己愛もほどほどが大切ということだ。

参照元:DailyMail(英文)

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