「道徳観」「倫理観」というものは、たった10年のあいだでも大きく変わってしまうものなのだろうか。昨年、イギリスで行われたある調査で、人間の道徳観や誠実さに関して、大変興味深い結果が明らかとなった。これが、「どうせ海外のこと」と軽視してはいられない内容なので、ぜひともみなさんにご紹介したい。

エセックス大学の研究者らは、2000人を対象に、人々の道徳観を計るオンライン調査を行った。実は、2000年にも同様の調査が行われており、その時の結果と2011年に行われた二度目の調査結果とを比較したものがこのたび発表されたのだ。被験者への質問内容の一部は、次にあげるA~Jのとおりである。
 
「道徳観を計る質問(一部)」

A: 道で拾ったお金を自分のものにする
B: 嘘をつく
C: 薬物に手を出す
D: 駐車中の車にぶつけてしまっても無視をする
E: 不倫
F: 未成年との性交渉
G: 盗品と知りながら買う
H: ごみのポイ捨て
I: 所得隠し
J: 飲酒運転
 
これらの行為に対し、許せるか許せないかを答えてもらった。すると、驚くべきことに、ほとんどの項目において2000年よりも2011年のほうが、人々が寛容になっていることが明らかになったのだ。この他にも、「許せる」と回答した人が増加した項目には、「スピード違反」などもあった。

逆に、人々が以前よりも許せなくなっているのは、「所得隠し」だ。深刻な経済の悪化を反映しているのだろうか。この他にも、「電車やバスの無賃乗車」を許せないと答えた人も増えていた。

また、調査結果全体を年齢別にみると、高齢の人ほど「許せない」という回答が多く、男女別の場合は、女性のほうが多かったとのこと。しかし、学歴や収入、社会的地位などが、道徳観に与える影響は、男女ともに見られなかったという。

社会も変わり、自分自身も成長すれば、多少なりとも価値観や考え方というものは変わるものだが、変わってはいけないこともあるはずだ。みなさんが、10年前には「絶対にやってはいけない」と思っていたのに、現在は「まぁ、いいか」と考えが変わってしまったことは何だろうか。

参照元:Mail Online(英文)

▼こちらがA~Jの項目を2000年と2011年で比較したもの。「許せない」と回答した人の割合を表している

▼こちらは年齢別に道徳観の割合を表したもの。66歳以上が最も道徳観が強いという結果に