スマートフォン市場は、アップル社の「iPhone」とGoogleが提供するOS「Android」を搭載した端末、この2つが双璧となって、熾烈なシェア争いが続いている。現状はiPhone4Sが登場して以来、Androidはやや劣勢にあるようだ。

そんななか、2011年10月末にフィンランドの携帯メーカー「ノキア(Nokia)」が発表会を行った。すでに以前の記事でお伝えした通り、曲げたりねじったりできる「キネティック・デバイス」が高い関心を集めたのだが、彼らが打ち出したコンセプトはそれだけではなかった。iPhoneやAndroidを尻目にさらなる進化を想定したコンセプトを打ち出していたのである。

その端末とは、上も下も表も裏もない、全面タッチスクリーンの「GEM」と呼ばれるスマートフォン端末だ。このコンセプトについて同社のデザイン責任者は「究極のデバイス」と強い自信を見せているのである。

同社は10月末にロンドンで「ノキアワールド2011」を行った。その会場で注目を集めたのが、曲げたりねじったりできるキネティック・デバイスの「Humanform」である。すでにモックアップ(外見を実物そっくりに似せた模型)が用意されており、来場者を驚かせていたのである。

彼らが想定する未来のスマートフォンは、それだけではなかった。なんと全面タッチスクリーン「GEM」と呼ばれるスマートフォンのコンセプトを打ち出していたのである。これは、ノキアのリサーチセンターが設立から25周年を迎えたのを記念して発表されたもので、従来のスマートフォンと異なり、正面に当たる場所がない。すべての面がディスプレイ(タッチスクリーン)になっているのである。

このコンセプトのシニア・デザインマネージャーは、「現在のスマートフォンで、たとえばカメラのアプリケーションを起動しても、あなたのスマートフォンの外観はカメラには見えないだろう。しかしGEMであれば、端末のすべてをカメラのように見せることができる」と説明し、「究極のカスタマイズ可能なデバイス」と、強い自信を持ってコンセプトの発表を行った。

斬新であるのに違いはないのだが、いくつか気になる点がある。それは、端末を使ったすべての挙動が周りの人にわかってしまうことだ。仮にプライベートな画像を見ていたとすると、どんな画像を見ているのか、周囲の人にも見えてしまうかもしれない。

また、従来のスマートフォンでもミスタッチをしてしまうことがあるのだが、全面タッチスクリーンとなればその頻度も増えるに違いない。カバンの中に入れていて、勝手に通話してしまうことも想定される。

ノキアは随分先の未来をイメージして、スマートフォンの開発を進めているのではないだろうか。とにかく現物を見てみないことには、どのような端末になるのか、想像もつかない。イマジネーションだけが先行して、ユーザーが置き去りになっていないと良いのだが……。

参照元:Youtube NokiaConversations(英語)