「プラス思考」というと良いことずくめのようにも思えるが、行き過ぎると怖い面もあるらしい。プラス思考を追求すると、「いつも良いことが起こる」と思うようになるが、ときには悪いことも起こるものだ。極端なプラス思考の人は、そのようなときに脳がうまく働いていない、という研究結果がある。

その研究によると、極度なプラス思考の人は、根っからポジティブな世界観を持つだけでなく、それをさらに強めるような体験からしか学ばないらしい。研究では、参加者をMRIにかけた状態で、車が盗まれるとか、悪い病気にかかるといった悪いことが、将来、自分の身に起きる可能性について何パーセントあるかを見積もってもらった。そして、それぞれのことが参加者の人生に実際に起きる確率を知らせ、その上で再び、自分に起きる可能性を見積もってもらったのだという。

つまり、1回目の見積もりが実際の確率と異なっていた場合、2回目に見積もりを修正することも可能というわけだ。実際、自分ががんになる可能性を40パーセントだと見積もっていた人は、確率的に30パーセントにすぎないと知ると、2回目には約32パーセントまで見積もりを引き下げた。しかし、初めからがんになる可能性を10パーセントだと見積もっていた楽観的な人は、30パーセントの確率だと聞いた後にも見積もりを変えたがらなかったという。

また、この現象には脳の前頭葉がかかわっていることもわかった。初めの見積もりよりも実際の確率の方が良いとわかると、前頭葉の活動が高まり、情報を積極的に処理しようとするらしい。逆に、最初の見積もりに比べて実際の確率の方が悪いとわかると、プラス思考レベルが高い人の場合、前頭葉の働きが大幅に鈍くなるのだとか。それはまるで、新たに良くない情報を聞いて、脳が処理するのをいやがっているようだったという。

ということは、超ポジティブなあなたは、悪いうわさを聞いても用心できない脳の持ち主ということになるのだろうか? そんなあなたにこそ危険性を伝えたいところだが、はたして正しく伝わるのか、それとも脳のせいで良い風にだけ、伝わってしまうのか。

(文=たちばな陽子)

参照:io9.com(英文)