出たーーー! 鬼だ、化け物だ! 食べられるーーー!! と、思わず大声を上げて逃げ回りたくなるほど恐ろしいこの姿。実はこれ、北欧のお祭りの装束である。錆びた鎖と鐘を持ち子どもや女性をおびえさせながら練り歩くという。日本で言えば、秋田県の「なまはげ」に近い民俗行事のようだ。それにしても恐ろしすぎる、化け物と呼ぶに相応しい姿。夜一人で帰り道を歩いていたときに、これら化け物の衣装をまとった人たちに遭遇してしまったら、ギャーーーーーー! 考えただけでも震え上がってしまいそうだ……。

この装束は、「クランプス」と呼ばれる伝説の生物の姿だ。オーストリア、ハンガリーを中心に北欧で言い伝えられている「夢魔(むま)」に似た生物なのだとか。クリスマスのシーズンに、聖ニコラウス(サンタクロースのモデルとされる人物)に同行し町に姿を現すという。

良い子には聖ニコラウスがプレゼントを渡すのに対して、クランプスは悪い子に罰を与える。12月の最初の2週間、町の若者はクランプスに扮し、錆びた鎖と鐘を手に、子どもや女性をおびやかすそうだ。

ちなみに日本のなまはげも、子どもや結婚したばかりの嫁を探して町を練り歩き、怠惰を戒める。距離を隔てた2つの国で、似たような慣わしがあるのは興味深い。それぞれの起源については諸説あるのだが、現在も地元の人々の手によって、文化が引き継がれ続けている。

いずれにしても、クランプスの姿は恐ろしいの一言の尽きる。これが大挙して町に現れると思うと、子どもでなくても安心して寝ていられないのではないだろうか……。

参照元:UNREALITY magazine(英語)