元CEOスティーブ・ジョブズの退任で、アップルのひとつの時代が終わった。ジョブズは、明確なビジョンを持ったゲームチェンジャー(物事の流れを変える人物の意)として称賛されてきた。しかし、彼がアップルの広告にも大きく貢献してきたことを忘れてはならない。

ジョブズ時代のアップルの広告は、「ガジェット・フェチシズム」を気取らないもので、多くの感動をコンシューマーに与えてきた。アップル製品が「セクシー」であるのなら、アップルの広告は「親しみやすさを兼ね備えたセクシーさ」があった。CEOスティーブ・ジョブズの元でアップル社は、自社製品を「最高にクールであるが、それでいてアプローチしやすい」プロダクトとして一般ユーザーにもうまくアピールしてきたのだ。

もちろん、キャンペーンの批判などはあったが、ジョブズが率いたアップルの広告は、アップル社の本質をうまく捉えていた。

以下、ジョブズの偉大さがわかるアップル社の広告10種類である。

「Introducing the iPhone 4」 <再生数:1730万>

スティーブ・ジョブズは誰もが認めるマーケティングの天才であるのにも関わらず、アップルの広告に登場したことが一度もない。しかし、この6分間のiPhone 4の紹介動画には、ジョナサン・アイブとグレッグ・ジョズウィアックを含めたアップル社の役員が多く登場している。

「1984」 <再生数:1030万>

当時、発売されたMacintoshの広告。この「1984」の広告については、ほとんど語り尽くされている。そこで、あまり知られていないトリビアをここで紹介。

トリビア(1):広告代理店のChiat/Dayは、これとかなり似た広告のアイデアを、1982年にApple II用に売り込んでいた。
トリビア(2):当時のアップルCEOであったジョン・スカリーは、この広告が好きではなかった。
トリビア(3):この広告に関して、マネジメントのゴーサインがもらえず、ジョブズが苦労していた。すると、それを耳にしたスティーブ・ウォズニアックは、自腹を切ってまでこの広告を出した。

「Get a Mac」 <再生数:800万>

後になってから見てようやくジョブズのマーケティング洞察力が分かる、この「Get a Mac(Macを始めよう)」広告。66種類ものパターンがあるこの広告は、2006年に初めて公開されたときは、「悪意のある広告であり、Mac役のジャスティン・ロングよりもPC役のジョン・ホッジマンの方が好感が持てる」とSlate誌に書かれている。

「Introducing iPad 2」 <再生数:650万>

アップルは、iPhone4で成功した広告をiPad2でもそのまま採用した。ジョナサン・アイブはこの広告で、iPad2がどれだけ革新的であるかを自ら語っている。そして、またしても彼は成功した。

「Meet the iPad」 <再生数:360万>

2010月の春には、誰もがiPadとは何かを知っていた。しかしアップルはこの広告でiPadに人間性を与え、また、大人が遊べるトイのようにこの製品を表現した。

「iPad Apps」 <再生数:340万>

この広告に登場する、iPad用F1アプリを見てもピンと来ない人は、至る所で目にした「There’s an app for that(そのためのアプリがあります)」の広告を思い出そう!

「Think Different」 <再生数:300万>

スティーブ・ジョブズの再来は、この「Think Different」キャンペーンで始まった。この広告は、ウィンテルの複占から抜け出そうとする願いがこもっていた。そして今、世界は少し、Differentになった。

「iPad is」 <再生数:280万>

「iPadとは結局、何なのか?」という質問に、アップルは、30秒で答えている。

「Smile」 <再生数:240万>

これこそ、アップルの真髄ともいうべき広告。人間的な瞬間が、新しいテクノロジーによって伝達される。

「We Believe」 <再生数:230万>

「ハードウェアよりも、人との繋がりを優先している…」ということを伝える、ある意味アップルの宣言動画。

ボーナス:非ジョブズ時代の広告「Apple Newton What is Newton?」

ジョブズが解雇された1985年から、復帰する1996年の間に制作された広告。

ジョブズの元で作られた広告では、その製品に何ができるかにスポットライトが当てられ、製品の機能により多くの時間を使っていた。ナレーションもクールで商品のよさを直接的に強く訴えるものだった。果たして、みなさんはその違いを実感できただろうか。

参照元:Mashable(英文)

▼「Introducing iPhone 4」

▼「1984」

▼「Get a Mac」

▼「Introducing iPad 2」

▼「Meet the iPad」

▼「iPad Apps」

▼「Think Different」

▼「iPad is」

▼「Smile」

▼「We Believe」

▼ボーナス:非ジョブズ時代