哺乳類の多くは、子育て中のメスが凶暴になることが知られている。最近の研究により、人間の母親も母乳の出る時期に攻撃性を増すことが初めて実証された

研究者らは、授乳期の動物は子を守る防衛本能から攻撃性が増し、かつ恐怖を感じにくくなるというデータをもとに、人間も同様であるとの仮説を立てた。

しかし敵のいる実験環境を作り出すことは難しい。そこで用いられたのが対戦型ゲームだ。母乳育児中の母親17人、ミルク及び離乳食で育児中の母親18人、子どもを持たない女性20人の計45人が参加した。

研究者が被験者を装い対戦相手となり、わざと感じ悪く敵意むき出しに振る舞った。対戦の勝者は「ざまぁみろ、バーカ!」などの音声が出る「罵倒スイッチ」を押すように指示された。

結果、完全母乳の被験者はスイッチを大音量で長い間押す傾向が認められた。数値にして攻撃性は約2倍。同じ育児中でも、母乳の出ていない母親らの実験結果は子どもを持たない人と変わらなかったという。

また完全母乳の母親らは他のグループに比べて血圧の上昇が緩やかだった。これは敵との対峙、自らの攻撃性によるストレスから身を守るためと考えられる。

実験を行ったカリフォルニア大学のHahn-Holebrook博士は「母乳の女性がケンカっ早い、挑発的ということではなく、自分や子どもに危害が及ぶ場合には自然と攻撃的になるということだろう」と説明している。

子を守る本能は侮れないということか。ちなみに記者もただいま母乳育児中。下手に挑発すると牙を剥くかもよと、夫に警告しておこうと思う。

参照元:io9.com(英文)
photo:RocketNews24.