ごま油にコーン油にオリーブオイルと、この世の中にはさまざまな植物油が存在する。食用としてはもちろんのこと、化粧品として用いられる油も多く、なかでも最強の万能っぷりと言われているのが「オイルの神様」こと椿オイル(椿油)である。

椿(つばき)の種子から採種される椿オイルは、その用途の広さから「和製オリーブオイル」とも呼ばれており、古来から食用種、整髪料、灯りのための燃料油などとして使われてきた。現在でも杖や棋具などの手入れ用、また、塗料としても使われている。

そのなかでも特に効果を発揮するのが、美容オイルとしての使われ方だ。

一般的に、人の肌に潤いを与える成分である皮脂の41%がオレイン酸、25%がワックスエステル、16%が皮脂酸で、12%がスクワレンといわれている。ということで皮脂膜のケアには41%を占めるオレイン酸を補うのが効果的なのだが、椿オイルにはこのオレイン酸が85~93%も含まれいる(オリーブオイルは75%前後)……つまり、最も効率よく潤いを補給することができるのだ。

また、オレイン酸は不乾性油の一種であり、長時間、高い保湿力を保つ。このことから肌ケアのほかに、髪の毛の艶や保護をする効果があることは研究によって実証されている。しかしながら、椿オイルは鮮度が命。日が経つにつれオイルが劣化(酸化)し、その高い効果が失われてしまうのだ。

その椿オイルの鮮度に、真っ向から立ち向かっているのが、あの資生堂である。最高級の椿オイルを追い求め、3年かけてたどり着いたのが長崎県の五島列島。害虫などが少ない場所のため、殺虫剤や化学肥料を使わずに無農薬栽培することが可能なのだという。

また、鮮度が命の椿オイル。輸入物の海外産よりも国産の椿のほうが鮮度が高いのは当然だが、国産カメリア・ジャポニカ(ヤブツバキ)のオレイン酸含有量は海外産の比ではないという。

資生堂の研究員は、直接産地へ出向き品質などを徹底チェック。純度の高い「一番搾り(1kgから300gしかとれない)」だけを使用し、さらにその一番搾りを何度も精製にかけ、極限までの純度に高めたものを、あの「TUBAKI」に配合するのだという。なんという椿へのこだわり。さすがは「花椿」をシンボルマークに用いている資生堂である。

photo:flickr Drew Avery