日本でも高校の漢文の授業で中国唐代の漢詩を勉強するが、もちろん本場中国でも必修。古典の教科書に必ず収録されている。最近、中国の中学校の教科書に書かれていた「偶然再会し、感激のあまり手を取り合ってしまったであろう2人の男性」の挿絵に、中国腐女子が過剰反応しているらしい。

「腐女子」とは広義では女子のオタクのこと、狭義ではとりわけボーイズラブをこよなく愛する乙女達のことだ。中国で「腐女子」と言えば専ら狭義の方である。

その中国腐女子達の間で話題になっているのは、詩仙・李白と並び、詩聖と称される唐代末きっての名詩人・杜甫(とほ)の詩『江南にて李亀年に逢う』の挿絵だ。花びら降る晩春に、男性二人がしかと手をとりあい、10本の指をからませ、お互いほほを染めて、感極まった表情で見詰め合っている。

これに対し中国腐女子達は「萌え死ぬ!」、「杜甫(とほ)というより杜腐(とふ)!」と大騒ぎである。中国語の「腐」は彼女らの間でボーイズラブ化している状態を指す。この状況に一部のネットユーザーは「教科書に載せて大丈夫なのか」と心配気味だ。

なお、これは杜甫が戦乱により都を追われ、たどり着いた地で、かつて都で権力者達に寵愛された歌手・李亀年に偶然再会、すっかり落ちぶれてしまった姿を悲しむと同時に、栄華を極めた過去に思いを馳せ、涙するという内容だ。決して恋の歌ではない。

確かに再会しただけにしては、ただならぬ気配を感じないわけでもないが、この挿絵一枚でいろいろ想像が膨らんでいくとは、中国腐女子達のレベルの高さに脱帽である。

参照元:今日新聞網(中国語)
執筆:沢井メグ