にぎやかな観光地としての顔を持つ香港。その一方で、貧富の差が問題となっている都市でもある。その香港のスラム街に、謎のセクシーヒーロー「レディ・バウヒニア」が現れた。彼女は貧しい人たちにお金や食料を配り歩いているという。彼女の善意と大胆なコスチュームに香港中が釘付けである。

「レディ・バウヒニアは助けが必要な人がいれば、どこでも参上! 政府はお金の使い方がダメ! だったら私が教えてあげる! まず手元の6000香港ドル(約6万1000円)で行動を起こすわ!」、3月末にFacebook上にこのような「救済声明」が出された。

その声明どおり、4月中旬のある日の深夜、香港・九龍のスラム街に黒いレオタードに身を包んだ青い仮面をつけた女性が現われた。彼女は1人につき現金100香港ドル(約1000円)と食料を配っていったそうだ。名前も名乗らずに、自らの義務であるかのように粛々と活動する姿はまさに「救済の女神」だ。

Facebook上の彼女のプロフィールによると、学歴は大卒で商売をしており、高収入で現在独身らしい。救済活動については、彼女は政府の貧しい市民への政策に不満を持っており、自ら行動を起こすことで、人々にこの問題に関心を持ってほしいと話している。ちなみに、彼女のコスチュームは映画『キック・アス』から影響を受け、名前の「バウヒニア」は香港特別行政区の「区の花」にちなんで名付けたとのことだ。

彼女の正体はいっさい不明。実際彼女に会ったスラム街の住民もインターネット上のプロフィール以外のことは何もわからないらしい。資産家令嬢であるとか、香港社交界の花であるなど、さまざまな噂がささやかれている。しかし、今のところそれらしい人物は見つかっておらず、わかっていることは「活動資金は彼女のポケットマネー」ということだけだ。

香港市民からは、「ひとりの女性でさえ、どう救済すればいいか知っているのに……。政府は何をしているんだ」、「素晴らしい! 頑張って!」、「衣食足りて礼節を知るとは、まさに彼女のことだ」など、次々と賞賛の声が寄せられている。

社交界からは賞賛だけでなく「私だって毎月寄付している」など対抗意識を燃やす声もある。だが、社会に一石を投じたという点では、彼女の思惑通りになっているといえよう。

しかし最近は、彼女の活動も少し低調気味のようだ。彼女がマスコミに送ったとされる手紙によると「正体を暴こうと連日マスコミが見張っていて、活動をしにくくなったの。レディ・バウヒニアはヒーローだけど、私だって人間。心労のため寝込んでしまったわ」と明かしている。そんな厳しい現実に置かれながらも、活動を継続する意思はあるとのこと。今後の彼女の動向に注目したい。

参照元:新浪新聞新浪新聞(中国語)

▼スラム街にて

▼これが活動資金の6000香港ドルだ