今、欧米のいくつかの大学の実験室では、私たちの未来の食生活を変えうる驚くべきものの開発が行われているという。それは「試験管ミート」、つまりは「人工のお肉」である。

見た目、味、質感などあらゆる面で本物の肉に似せた人工肉には、さらにサプリメントのような効果を付け加えることもできるそうで、すでに市場に売り出すためのビジネスプランを練っている研究者もいるという。

この分野の第一人者であるサウスカロライナ医科大学のミロノフ教授によると、「これからの食べ物はただ生きるためだけでなく、より良い自分になるためであるべきだと思います。そのために我々は自然のものよりもより優れた機能性食品の開発に取り組んでいるのです」とのこと。

人工肉を造るために研究者たちはまず動物から細胞を採取し、それを主に植物から成る栄養成分を調合した物質の中で育てた。そこに細菌作用で無害な物質に分解可能な土台を置いておく。すると徐々に発達してきた細胞はこの土台に付着し始め、これが肉を構成する筋組織になるのだという。

このように生体工学的方法を用いれば、脂っこい物が好きな人には脂肪分の多い肉を造ることもできるし、それだけでなく例えば、「脳の働きを促進する効果」などのように「○○効果のある肉」を造りだすことも可能なのだそう。

人工肉を大きな工場などで生産できるようになれば、牛や豚などを飼育するよりも効率が良くなると研究者たちは考えている。また、家畜を育てるには大量の農地や水が消費されるだけでなく温室効果ガスも排出されるため、人工肉が家畜に取って代われば環境にも良いというのだ。

目下のところ、人工肉の大きな問題点はコストがかかることだという。これを解決するためにはまず、お金を持っている著名人に人工肉を認めてもらう必要があるとミロノフ教授は考えている。

「大規模な資金提供を受けられれば、人工肉が広く一般に浸透する日もそう遠くはないでしょう。あとは、『人工肉』ではなく人々の食欲をそそるような呼び方を考えなければなりませんね」と、教授は次世代の肉の誕生に自信を覗かせている。

参照元:abcnews(英文)