あなたがどんな気持ちなのか、あなたがどこの国の人なのか、そしてあなたが誰なのか教えてくれる「顔」。そんな重要な役割を持つ人間の顔が、胎内でどう形成されているのかを示す映像が公開され、現在話題を呼んでいる。

映像を公開したのはイギリスの公共放送局「BBC」。彼らは高画質のスキャン技術を使い、人間の胚が誕生4週間から10週間の間にどう顔を形成していくのかを映像化した。

映像の中では、人間の顔が上・左・右の3方向から形成され、そして最後に3つのセクションが融合していく様子が映し出されている。実は、この時の名残りが私たちの顔に今でも残っているのだ。それは人中(じんちゅう)。

人中とは、鼻と口の間にある縦の溝のことで、汗を流しやすくするというような機能は全く持ってない。つまり、人間の顔が作られていく上で残った単なる溝だということ。

また、顔の3つのセクションが上手く融合するためには、それぞれがちょうどいいタイミングで出会わなければならなく、これが1時間でもズレると、唇の部分が裂けた子どもが生まれる。BBCによると、世界では700人に1人の赤ちゃんが唇や口蓋が裂けた状態で生まれてきているとのこと。

そして今回の映像により、人間の目は最初は顔の端にあること、そして上唇・あご・口蓋(こうがい)が魚のエラ構造に似た状態から始まることが分かり、やはり人間は魚から進化してきたのだろうとBBCは報じている。

この他にも、人間の初期胚が魚類から進化してきた他の哺乳類、鳥類、両生類の胚に似ていることが発見され、人間の進化の過程に魚があったという説はますます支持を受けている。

人の顔の様々な謎を明らかにした今回の映像。特に、人中の形成について驚かされた人は多かったのではないだろうか。次に科学が、どんな人間の謎を解明してくれるのか実に楽しみである。
(文=田代大一朗

参照元:BBC(英文), Youtube/YouCannotReachOmega

▼こちらがその映像