一人で入りにくい店の代表格といえば、焼肉店だ。そもそも焼肉店自体が2人や4人などの複数人の客を想定した店舗デザインをしており、「店に迷惑をかけるのでは?」や「店員に恥ずかしい目で見られそう」という理由から、一人で入れない人が多くいると思われる。

しかし東京・上野の一人専用焼肉店『ひとり』は、最初から一人で客がやってくることを想定した店なので、客は誰にも遠慮することなく一人で焼肉を食べることができる。そこで今回、『テレビチャンピオン焼肉王選手権』準優勝者であり微妙グルメ評論家・のりすけ氏とともに、一人専用焼肉店『ひとり』に行ってみた。もちろん、入店は別々で入り、居心地や肉質を批評してもらった。

店内に入ると、店員が丁寧にお一人様用の席に案内してくれた。すべての席がシキリによって囲まれているため、他の客は背中しか見えない。完全にお一人様だ! 目の前には焼肉用のガスコンロがあり、オーダーシートに注文したい肉やドリンクを書いて店員を呼ぶことになっている。店員を呼ぶためのベルがあるのでそれを押すと、店員がオーダーシートを受け取りにくる。2回目からの注文は、店員を呼んで口頭で伝えるルールになっている。

普通の焼肉店は1人前ごとに注文するが、この店では1枚ごとに注文する。つまり、カルビを注文するときはオーダーシートに枚数を書くことになる。肉を1枚単位で注文する行為はなかなか新鮮である。ちなみに、カルビ1枚250円、ハラミ1枚190円、タン塩1枚250円ほどする。厚切りでも注文することができ、厚切りカルビは400円、厚切りタン塩は350円だ。

この店を訪れていちばん注目したのは、肉質だ。店舗はとても明るいし、照明も落ち着く色をしている。店員も非常にテキパキと働いており、対応も丁寧だ。ボスと思われる男性店員がお客さんに話しかけられて、丁寧に説明していたのも好感が持てた。一人でゆっくり食べられるし、とにかく素晴らしい! だけど肉質が残念な状態であれば、その評価はグンと下がる。

しかしテーブルに出された厚切りカルビとタンを見てビックリした。厚切りカルビはほどよく霜降りで、素人が見ても新鮮な肉であることがわかる。実際に焼いて驚いたのが、肉のプルプルッとした弾力だ。肉全体が透明な肉汁のヴェールで包まれており、肉自体も「これ生きてるんじゃないか?」と思うほど弾力がある。その美味しさが箸でつまむだけで伝わってくるため、食べる前から「美味しいに決まっている」と思い込んでしまったほど。

実際に食べた感想は、想像のとおり本当に美味しかった。特にねぎタンが美味しく、ほどよく焼いてねぎを乗せて食べると、口の中でタンのキュッキュッという歯ごたえとねぎのシャリシャリッという食感が脳を刺激する。このタンやカルビの味は安い焼肉店の味ではなく、高級店で出ていてもおかしくないレベルと感じた。しかし鶏肉はややかためで食べにくかった。

結論としては、焼肉店としては高級店と安価焼肉店の中間あたりのレベルといえる。一人でも食べやすい焼肉店として便利なだけでなく、肉質も非常に良くて美味しい。何度も行きたくなる焼肉店なのは確かだ。

店舗名: ひとり
住所: 東京都台東区上野6-8-17
電話: 03-5812-4097
営業時間: 11:00~14:00 / 17:00~24:00
※2011年のゴールデンウイーク明けまでは11:00~22:00

Correspondent: Kuzo