「まいう~」の石ちゃんこと石塚英彦さんや、「味のIT革命や~」などで知られる彦摩呂さん。過去にオリコンが行った「好きなグルメリポーター」ランキングで1位2位に輝くほど人気のふたり。グルメリポーターとしての表現力はさることながら、彼らに共通しているのは「太っている」こと。職業柄太ってしまうのはしょうがない気もするし、実際彼らを見ているとついつい自分も食欲が増すという方、少なくないと思います。でも、それはなぜなのでしょうか。

このたび、太っている人に刺激される私たちの食欲に関して、興味深い研究結果が発表されました。それによると、肥満体の人を見ると食欲が増して実際に食べる量が増えるが、一方でその肥満の人が食べている姿を見た場合は食べる量が減るというのです。

コロラド大学の研究者たちは、「クッキー試食会」と称して実験を行い、用意したクッキーを被験者に食べてもらいました。しかし食べる前に彼らは、太っている人か痩せている人どちらか一方の写真を見せられます。すると、太っている人の写真を見た被験者は、痩せているほうの写真を見た人に比べて明らかにクッキーを食べる量が多かったのです。これは被験者の性別や体重に関係なく同じ結果となりました。

次に同じ実験を、太っている人の写真とその人が食べているときの写真で行って比較すると、肥満の人が食事している写真を見たときに被験者が食べた量は明らかに少なかったのです。

研究者たちは、この結果を固定観念の促進によるものだと分析しています。「ここでいう固定観念とは、一般的にそうだとされる考えで、例えば『太っている人はたくさん食べる』や『アジア人は数学が得意』というようなことです。人は、このような概念に当てはまっている人を見ると、自分自身もその考えに合うように行動する傾向があるのです。そしてこの傾向は、固定観念の良し悪しやその人の能力とは関係なく起こりえるのです」とのこと。

これを裏付けるかのように、大学生を対象に行ったある研究では、彼らが大学教授に会った後とスーパーモデルに会った後のそれぞれで一般教養問題を解いてもらったところ、大学教授に会った後のほうが点数が高かったという結果が出ているそうです。

これが、「太っている人を見ると食べる量が増える」ということの原理のようですが、ではなぜ先の実験では「太っている人が食事しているところを見たら食べる量が減った」のでしょうか。研究者らはこれを、太っている人が食事する姿を見ると、食べることと体重が増えることの関係性が印象付けられるからだと説明しています。つまり、太っている人を見たときの食欲の増減は、その人の体重だけでなく行動にも影響されているということだそうです。

とはいえ、テレビでグルメリポーターがおいしそうに食べている姿を見ると、ついつい同じものを食べたくなるのは記者だけでしょうか。それとも、太っていようが食べている姿でさえも人々を魅了する彼らの腕前ということなのでしょうか。

イラスト:ロケットニュース24

参照元:Healthland(英文)