農場で育った子供は他の子供よりもぜんそくになりにくい。そんな研究をルートヴィヒ・マクシミリアン大学のマルクス・エック博士とエリカ・フォン・ムティウス教授が発表した。これは、農場で接触する微生物のスペクトラム(範囲)が他の土地のものとは違うからということらしい。特定の微生物がぜんそくの発症を防いでいるかもしれないということだ。

農場に住む子供は他の子供と比べてぜんそくをわずらう確率が低いということは、ここ数年の研究で分かっている。エック博士らの研究チームは、今回の発表でこれを裏付けしたかたちだ。この調査では、同じ農村地域の農場に住む子供と農場と接触のない子供の部屋からハウスダストを収集し、そのサンプルDNAを比較した。すると、農場に住む子供はかなり豊富な種類の微生物にさらされていることがわかった。周りにいる微生物の種類が多ければ多いほど、ぜんそくのリスクが減少するのだ

この生理学的な仕組みはまだ解明されていないが、今回研究チームは、仕組みに関係している可能性のある微生物の種を割り出すことに成功した。予防方法が発表できるのはまだまだ先のことだが、少なくともワクチン開発の候補となるものは見つかったということだ。

多くの場合ぜんそくは、一度発症すると一生を共にしなければならない慢性疾患だ。だが、このニュースは全世界のぜんそくを患う人々にとっての希望の光となるかもしれない。昨今、殺菌や消毒用アルコールを至る所で見るようになったが、本当はそんなものに頼らず、バクテリアと真菌に囲まれた生活の中で強い免疫系を作るのが人間に取って一番大切なのかもしれない。

(記者:Kanako Otomo)

参照元:sciencedaily.com (英文)