中国福建省で、幼い頃誘拐された男性が22年ぶりに両親との再会を果たした。手がかりが殆どない中、親子の再会に一役買ったのは、とあるサイトとネットユーザーだ。

22年前、当時3歳だった李燦尚(り さんしょう)さんは家の前で三輪車で遊んでいたところを突然何者かに連れ去られた。泣きわめいて助けを求めようとしたが、その甲斐もなく長いこと車に乗せられ、遠く約150キロ離れた福建省泉州市に売られてしまった。150キロと言えば3歳児からしたら絶望的な距離である。

大きくなるにつれ李さんは自分の生まれも、実の両親がつけてくれた名前も忘れてしまった。不幸中の幸い、李さんを買った養父母は李さんを学校にも通わせ、良くしてくれたという。

しかし、実の両親に会いたいという気持ちは募るばかり。友人の勧めで、子どもの行方不明事件情報サイト「わが子よ帰ってきて(宝貝回家)」に、投稿することにした。

「わが子よ帰ってきて」は多発する子どもの誘拐や失踪事件を受け、インターネットを通して親、子ども、そして第三者からと幅広く情報を収集・提供し、そして警察への働きかけをする団体だ。全国から多くのネットユーザーがボランティアとして活動を支えている。これまでにも多くの失踪事件の解決の糸口になったそうだ。

李さんは半信半疑ながらも自分が誘拐されたこと、実の親に会いたいこと、そして思い出せる限りの当時の情報を書き込んだ。

投稿した翌日、早速ボランティアから連絡が入り、DNA照合のために警察での血液サンプルの採取を勧められた。

サンプル採取後1カ月、李さんのDNAは福建省ショウ州市在住の林健さんと99%の確率で親子関係が認められるとの結果が出た。しかも、林さんは22年前に失踪した3歳の息子の捜索願いを出していたこともわかった。そして李さんは最終確認のために警察立ち会いのもと林さんのもとへ赴いた。

手を震わせ、緊張しながら下り立った飛行場には、李さんに顔立ちの似た男性が立っていた。林さん夫婦も人ごみの中からすぐに李さんを見つけ出し、見るなりすぐ22年前に失踪した息子であるがわかったそうだ。

3人は方言で言葉を交わし、抱き合って泣いたという。この再会に父親である林さんは「まるで奇跡だ! もう殆ど諦めていたのに……」と語った。

なお、「わが子よ帰ってきて(宝貝回家)」はこれまでに既に191件の案件を解決してきたそうだ。iPhoneやAndroid用のアプリも配布され、活動は広がっている。

参照元:新浪新聞(中国語)、宝貝回家(中国語)