先日、「数字で見るネット恋愛事情」で紹介した通り、今やインターネットは私たちの生活に大きな影響を与えるものになっている。それはネット利用が盛んな10代から20代の若者に顕著で、そういった世代を「ネット世代」と呼ぶこともある。そして今回、そのネット世代の実態を表すある調査結果が発表された。

その調査は若者のネット利用を調べるため、Kidscape というイギリスの児童慈悲団体が行ったもので、イギリス全土にいる11歳から18歳の若者2300人が調査対象となった。その結果、ネット世代の実態を表す様々な数字が発表され、社会に大きな衝撃を与えている。それでは、ネット世代がどうインターネットを使い、どうネット世界を捉えているのか今回の調査結果を通して見ていこう。

まずは子どものネット利用について、親を心配させてしまうようなこちらの数字から。

■8人に1人の若者が自分の年齢、容姿を偽りながら、見知らぬ人とネットを通してつながっている

そしてネット世代の特徴を表すこんな数字も紹介されている。

■45%の若者が時折、現実世界よりネット世界にいる方が幸せだと感じる

こういった数字を見ると、もはやネットは若者にとって情報検索したり、ゲームしたりする場ではなく、自分の理想を求めるひとつの世界になっているのではと思ってしまう。

実際に、今回の調査に参加したある10代の若者は「ネットでは、自分がなりたい人間により簡単になれる。なぜなら誰も本当の自分を知らないから。そして、ネット世界での自分のいる状況が嫌になったら、やめればいい。それでおしまいなんだし」と話しており、ネットが若者たちにとって、いかに居心地のいい場所になっているのかが見て取れる。

また、同性愛者である他の10代の若者は、自分が同性愛者であることを堂々と告白できるのは、匿名世界であるネット上だけだと話している。もしかしたら、この匿名性がネット世界をより魅力的なものにしているのかもしれない。

そして、ネット世界は自分への自信を見つける場にもなっているようで。

■47%の若者がネット上で、現実世界とは違うふうに振舞っている。そしてその多くが、そういった言動は自分に力と自信を感じさせてくれると主張している

また、ネット世界が嘘で固められていることを示すこんな数字も。

■知らない人に声を掛ける60%の若者が自分の年齢を偽っており、また40%が恋人がいる、いないなどの人間関係を偽っている

この結果を受けて、Kidscapeの副代表であり、精神療法士でもあるピーター・ブラッドリーさんは「私たちはネット世界が現実世界より、幸せを感じられる場所になることを許してはいけません。さもなくば、社会できちんと働くことができない若者世代を生み出すことになるでしょう」と述べ、ネット依存問題が若者だけでなく、社会全体の問題であることを提起した。

現実世界ではなく、ネット世界に自分の居場所を見つけようとするネット世代。そして、それを社会的ではない、人間的ではないと批判する周りの大人たち。これからは頭ごなしにネットはダメだと批判するのではなく、なぜ彼らがネットに惹きつけられ、そしてどうやったら彼らに現実世界の面白さを伝えれられるのか、考えていく必要があるのではないだろうか。
(文=田代大一朗

photo:flickr larryvincent

■参考リンク

DailyMail(英文)