中国江西省で、2900元(約3万6000円)で「嫁」として買った女性を「結婚生活が嫌になった」という理由でブローカーを通じて4000元(約5万円)で転売するという耳を疑うような事件が起きた。

男女の人口比率が世界一偏っていると言われている中国、特に農村部での男性人口過多は顕著だ。労働力確保のために男女の産み分けをしてきた結果、農村部では深刻な「嫁不足」に直面している。女性を誘拐し農家に嫁として売る、そんな闇ブローカーが多数存在している。

事件の発端は2010年1月11日。江西省の49歳の男性が独り身の寂しさからある闇ブローカー(別件で立件済)から女性を「嫁」として2900元(約3万6000円)で購入した。結婚して数カ月、女性は精神疾患があったことがわかった。度重なる虚言や脱走と、女性との結婚生活が嫌になり、男性は「返品」を決意。だが、ブローカーに何度も返金を要求したが聞き入れられなかった。

「返金もままならないばかりか、このままでは女性が逃げ出し、『カネ』も『モノ』も失ってしまう」と思った男性は、別のブローカーを探し、女性を転売して損失を未然に防ごうと画策。

同年6月18日、男性とブローカー2名は女性を4000元(約5万円)で農家に転売、売上げのうち、男性は2700元(約3万4000円)、ブローカーはそれぞれ540元(約6700円)、760元(約9500円)を手にした。

その後事件は男性の自首により発覚、男性と転売に関与したブローカー2名が逮捕された。なおブローカー2名は他の人身売買にも関与したとして再逮捕されている。

裁判の結果、誘拐婦女売買罪及び共謀罪で男性に3年、ブローカーはそれぞれ6年、5年の懲役刑となり、事件の幕は下ろされた。

中国における女性の人身売買は、以前は中国人を誘拐して売るという手口が主流だったが、最近では脱北者をはじめとする近隣諸国からの難民、東南アジアからの出稼ぎ労働者等外国人を狙った事件も多い。難民や出稼ぎ労働者は音信不通になっても本国の家族が気づかれず、発覚しないケースがほとんど。犯罪組織にとってもリスクが少ないということだ。また、誘拐実行犯には男性でなく女性を使い、被害者を油断させる等手口も巧妙化している。

1元=約12.5円

■参考リンク
環球網(中国語)