ハッキリ言って、『iPad』等の海外パケット使い放題1日1480円は高い。一見、安いように思えるものの、それは従来の海外パケットローミングサービスの料金が青天井で、リミットがなったからそう思えるだけ。数万円や数十万円が1480円になったと思えば安く思えるが、もともと1480円でさえ高額なのである

なぜならば、渡航先の国でSIMカードを購入すれば、国によってはたったの270円でパケット通信を使いまくれるのである! しかも10日間も! 例えばタイのキャリアに『i-KooL』という会社がある。ここのモバイル通信専用SIMカード『i-KooL 3G Real DATA』は99バーツ(約270円)で販売されており、お金さえ出せば面倒くさい手続きナシに、コンビニでジュースを買う感覚でSIMカードを購入することができる

面倒な契約はナシでデパートやコンビニでお金を払うだけで手に入るので、SIMロックがなく、電話番号が変更しても影響がない『iPad』での使用を強く推奨する。

『i-KooL 3G Real DATA』はパケット通信専用なので、通話はできない。なので『iPad』に非常に役立つSIMカードとなっており、10日間有効で1ギガバイトのパケット通信が可能となっている。画像をガンガン送信したとしても、1ギガバイトはなかなか使い切る事ができない容量である。

タイに30日間滞在したとしよう。ソフトバンクモバイルの海外パケットし放題プラン1日1480円を30日使用したとすると、合計で44400円になる。しかし、『i-KooL 3G Real DATA』ならば10日に1枚、計3枚買っても約810円であり、驚異的な節約が可能となる。

もうひとつ、『i-KooL 3G Real DATA』には利点がある。ソフトバンクモバイルがローミング先として設定しているタイのケータイキャリア『AIS』は非常に回線が重いのだが、『i-KooL』の回線は凄まじく速くて快適な回線で、『Yahoo! JAPAN』のトップページ表示で試してみたところ、約3倍のスピードでページを開く事ができた(場所と通信状況によると思うが少なくとも『AIS』より『i-KooL』のほうが快適なのは確かだ)。

しかし、『i-KooL』には2つだけ弱点がある。ひとつは、『i-KooL』は『AIS』よりも電波の届く範囲が狭いという点だ。『AIS』は地下鉄でも通じるが、『i-KooL』は圏外になってしまった。野外でも『i-KooL』のほうが電波の範囲が狭いようである(とはいえバンコク市内では地下鉄の圏外以外は特に気にならなかった)。もうひとつの弱点は、『iPad』で使用するにはSIMカードを削らなくちゃいけいな点だ。『i-KooL 3G Real DATA』は従来サイズのSIMカードのため、マイクロSIMカードサイズに切って小さくしなくてはならないのである。

しかしご安心を! なんと、タイには “SIMカード切り屋” が存在するのだ! しかもケータイキャリアのスタッフも「ウチのSIMカード、『iPad』で使いたいの? んじゃあSIMカード切り屋で切っちゃえばイイじゃん!」と言ってくるほどポピュラーな存在なのである! つまり日本でドコモのスタッフが「んあ? ドコモで『iPad』を使いたい? じゃあハサミで切っちゃえばイイと思うますけどねぇ♪」と言っているようなものである。

まあ、SIMカード切り屋がなくてもハサミでマイクロSIMカードサイズに切ってしまえば使えるので、特に面倒な事はない。結論から言うと、海外パケット使い放題は高すぎる! しかも『AIS』はモッサリしてて回線が遅すぎる! だったら270円で『i-KooL 3G Real DATA』でパケット通信すれば激安だし激早い! という事である。

ついでに、『iPad』に『i-KooL 3G Raal DATA』のSIMカードを装着した際の設定方法を教えよう。今入っているソフトバンクモバイルのマイクロSIMカードをピンを挿して抜き取り、そこに小さいサイズにした『i-KooL 3G Raal DATA』のSIMカードを入れる。そして「設定」→「モバイルデータ通信」→「APN設定」という順番でウインドウを進め、APNの欄に半角英字で「Internet」と記入する。ユーザーネームとパスワードは空欄のままでOKだ。

これだけで、『i-KooL』の電場が届いている場所であれば1ギガバイトまでパケットを使いまくれるというわけだ! ちなみに、『i-Mobile 3GX』というキャリアでも約270円でパケット通信ができるが、100メガバイトしか容量がないのであまりオススメできない。しかし電波状況は『i-KooL』より若干いいらしいので、現地でチェックしてみるといいかもしれない。

いちいち現地でSIMカードなんて買ってられない。第一めんどくさいだろ」という人もいると思われる。確かに購入する手間はあるものの、コンビニでジュースを買う感覚で購入でき、しかも簡単に設定できる事を考えれば、節約のためにも現地でSIMカードを購入するという方法が得策なのは事実である。ちなみに、このように旅行者でも手軽に購入できるパケット通信用SIMカードは世界中で売られており、ほとんどの国でタイと同じことができる。例えばイタリアでは、少なくとも『I WIND』というケータイキャリアが大容量のパケット通信ができるプリペイドSIMカードを20ユーロ程度から販売している。

●現地でSIMカードを買うメリット
・とんでもなく安い(10日使っても270円 / ソフドハンクで10日使うと14800円)
・回線がとんでもなく速い(これはタイの場合 / 国によって違いがあると思われる)
・勝手に海外パケット使い放題対象外のキャリアに繋がる事がない(これはかなり注意してもらいたい)
・『iPad』は通話できないのだからSIMカードを変えて電話番号が変わっても困る必要がない

●現地でSIMカードを買うデメリット
・到着してすぐに使えない
・デパートやコンビニなどの店に行って買う必要がある
・ちょっとだけAPN設定をする必要がある
・完全に使い放題ではない(これはタイの場合 / 国によって使い放題もある)
・『iPhone』などのケータイで使うと電話番号が現地のものになってしまう(なので『iPad』での使用が最適)
・そもそもケータイにSIMロックがかかっていると使えない(やはり『iPad』での使用が最適)
※もちろん国によって条件が異なるので、すべての国に当てはまるメリット・デメリットではない

ちょっと余談だが、海外取材時に1日だけ海外パケット使い放題で『iPad』を使用していたのだが、勝手にキャリアが変更されてしまう事があり、海外パケット使い放題が適用されていないキャリアに接続されてしまった事が何度もあった。そのたびに「海外パケット使い放題の対象外のキャリアに接続しました」というメールが届いて冷や汗をかいたものである。海外パケット使い放題だと思って使っていたら、帰国後に巨額の請求書が届くなんて事もありえる話だ。やはり海外パケット使い放題はオススメできない。

もうひとつ余談だが、帰国時に『i-KooL 3G Raal DATA』のSIMカードを購入しておけば、またタイにやってきたときにそのSIMカードを使ってすぐにパケット通信をすることができる。もちろん有効期限はあるものの、パッケージに有効期限が書かれているので、それまでにまたタイにくるかもしれない人は、買って損はないはずだ。

Photo by Rocket NEws24 Staff / 本誌記者撮影
Correspondent: Kuzo