2007年11月に死刑が確定した小田島鉄男死刑囚(65)の獄中日記を掲載したブログのアクセス数が急増し、コメント欄で議論を呼んでいる。小田島死刑囚は、2002年のマブチモーター社長宅放火殺人などで4人を殺害。千葉地裁が宣告した死刑に対して弁護人が控訴していたが、小田島本人の意思で控訴を取り下げ、2007年11月に死刑が確定した。

死刑囚の獄中ブログの公開が開始されたのは同月27日。ノンフィクション作家の齋藤充功氏のもとへ送られてくる手紙を、齋藤氏が本人の了承を得てブログに掲載しているという。

死刑が確定した当日、小田島死刑囚は「”人は死期を悟ると真実が見えてくる”と云われるが、いまだ私には何も見えてこない。真実を見極める能力そのものが欠落しているからだろう。しかしいま、処刑を待つだけの身になってからは見るものすべてが懐かしく思え、生きている小さな虫までがとても愛しく思えるようになった。この世のすべてのことに意味があり素晴らしいことに思えるようになった」と記している。

今年に入り、小田島死刑囚は「死刑囚が懺悔し、悟りを自覚して処刑されることは、犯人の自己満足にすぎず、遺族の方々にとっては不快極まりないこと ではなかろうか?」と自らの選択の意義を問う一方で、「死刑囚になり、死を確実なものとして考えるようになって初めて、生きていることのありがたさ、命の尊さが、わかってきた思いがする」とも語っている。

これに対し、同ブログのコメント欄では賛否両論の議論が沸騰。「死んで償うのは当然」「凶悪犯罪者を税金で養うのはおかしい、即死刑執行するべき」 といったものから「死んで償える罪などない。生きているからこそ償えるのではないか」といったものまで、様々な議論が展開されている。また、死刑制度の是非について問う書き込みも少なくない。

現在、死刑はほとんどの先進国で廃止または縮小傾向にあるが、日本では先進国には珍しく、ここ数年は増加傾向にある。2008年4月の死刑執行時にも、小田島死刑囚は「昨日執行されたうちの1人は05年の確定者、思っているよりも早い時期に自分の順番が来そうなので、この夏以降は早めに身の回りの整 理をしておくようにしなくてはいけないと思っている」と日記に綴っている。

今年5月には裁判員制度もいよいよ施行される。死刑それ自体の是非とは別に、裁判員制度の対象となる事件に“死刑宣告の可能性をはらんだ凶悪犯罪”が含まれていることを問題視する声もある。この獄中ブログは、それらの問題を考える際に一つの手がかりになるかもしれない。

記者:山崎(from cocolognews)

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