女性「実は……きょう、『●●さんですか?』という電話が、もう30件以上もかかってきているのです……。そのうちの誰か親切な方が、インターネットのページに私の電話番号が載っているということも教えてくれたのですが、どうしていいのかわからず、とても困っています……」

──彼女は本当に親切に、ゆっくりと丁寧に、こと細かく今日あったことを教えてくれた。ざっくりと箇条書きでまとめると、以下のような感じだ。

・電話が始まったのは今日の朝から。

・30件以上かかってきている。

・Amazonの商品ページに書いてある販売業者の「住所」は東京都●●区だが、彼女が住んでいるのは千葉県。その東京の住所に心当たりはまったくない。

・Amazonの商品ページに書いてある販売業者の「運営責任者名」は●●だが、彼女の名前は■■。その名前についても心当たりはまったくない。

・Amazonの商品ページに書いてある販売業者の「お問い合わせ先電話番号」と「カスタマーサービスの電話番号」に書かれている電話番号■■■-■■■■-■■■■は、たしかに彼女の使っている携帯電話で間違いない。

・Amazonの商品ページの「フィードバック」に書き込まれているユーザー(被害者)の声「▲▲▲-▲▲▲▲-▲▲▲▲に連絡してもつながらない」という電話番号は知らない。

・ネットもやらないし、Amazonのことも知らないので、本当にどうしたらいいのかわからない。

・詐欺師の不気味すぎる細かい動き

──ようするに、電話番号だけを勝手に使われているのだが、それよりなにより気になるのは……詐欺の被害にあった人が書き込んだフィードバックから察するに、彼女の電話番号「■■■-■■■■-■■■■」が表示される前は、また別の電話番号「▲▲▲-▲▲▲▲-▲▲▲▲」が表示されていたという不気味な事実。

・ちょいちょい電話番号も変更しながら詐欺を続けている可能性がある

私が何を言いたいのかというと、今回のAmazonマーケットプレイス詐欺を実行しているアカウント乗っ取り犯は、目的は不明ながら、ちょいちょい電話番号も変更しながら詐欺を続けている可能性があるということである。もしかしたら、明日には、あなたの携帯電話がジャンジャンと鳴り始める可能性だってゼロではないのだ。

さらに言えば、電話番号だけでなく、住所や名前も勝手に使われる可能性すらある。

誰かのアカウントを乗っ取り → 名前と住所を書き換えて → 違う電話番号を組み合わせ → 商品を激安で出品 → 購入者の個人情報をゲット → その個人情報を、また違うところで、今回のAmazonマケプレ詐欺のように再利用……という流れなのかも。

・奴はお金よりも大切なものを盗んでいきました

ちなみに、「Amazonのマーケットプレイスで、ありえないほどの激安価格で商品が売られている → 購入しても商品が届かない」の詐欺に遭ってしまったとしても、基本的に被害者の金銭的なダメージは限りなくゼロ。なぜならば、Amazonには「マーケットプレイス保証」なる安心の補償制度があるからだ。最高30万円まで返ってくる。

さらに言えば、Amazonは、きちんと取引が成立するまで販売業者への支払いは発生しない仕組みになっている。よって、今回の「Amazonマーケットプレイス詐欺」の目的は……ズバリ「個人情報」なのであろう。支払ったお金は戻ってくるが、盗まれた情報は戻ってこない。どうか皆さんもお気をつけて。激安すぎたら要注意だ。

参考リンク:Amazonマーケットプレイス保証
Report:迷惑メール評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24.